ベントレー コンチネンタルGTスピード 海外試乗レポート/西川淳(2/2)
- 筆者: 西川 淳
- カメラマン:ベントレーモーターズジャパン
エクステリアは変わり映えしないが、これでいい
今回、ドイツのミュンヘンからオーストリアはザルツブルグ付近を往復する試乗会イベントの“カラーテーマ”はグリーンだったのだが、それはエコロジーを表すというよりはむしろ、エンジンが常に冷えた状態=サーモグラフのグリーンにあること、をイメージしたものだった。
ミュンヘン空港のドまん中、建物に囲まれた、普段は旅行客や買い物客で賑わう大きな広場に、色とりどりのコンチネンタルGTスピードが並べられていた。なるほど、パッと見には大して代わり映えしない。21インチホイール、V8よりわずかに明るいダークグリル、ボディサイドのW12エンブレム、そして、内部にスパイラル加工を施したエンドパイプなどが、かろうじて、ベースモデルとの違いを主張している。
アップルグリーンという、何とも一目をひく、強烈なボディカラーの個体に乗り込んだ。ボディカラーひとつで、他人との違いを演出できる好例だろう。この色なら、スピードであろうとなかろうと、クルマ好きの注目を集めるはず。
新しいエグゾーストシステムを得た、W12ツインターボの唸り声を早速聞きたくて、オートマチックを最も下段のSモードにして走り出す。Dレンジに比べると明らかに拡散傾向の強い、ワイルドな響きが聞こえてくる。
ダンピングコントロールは最もコンフォート側にセットして、まずはゆっくりと走り出した。乗り心地は、明らかにフラットで硬め。けれども、ベントレーらしさを失うというほどじゃない。
色が色だけに、まわりのクルマが勝手に気を遣ってくれるのが手にとるように分かる。いきなり、速度無制限のアウトバーンに入った。もちろん、追い越し車線でフルスロットルを試みる。
ベントレー史上最高といえる、250km/hオーバーでの安定感
ガツン!と瞬間移動のように前へと進みはじめたかと思うと、速いんだか速くないんだか、ほとんど感覚がつかめないうちに、メーター読みで250km/hオーバー。尋常なく安定した走りをみせてくれるので、恐怖感などまるっきりない。感覚的には、ドイツ車を180~200km/h程度で走らせているようなもの。
事実、試乗パートナーのドライブ中、流れる景色から“けっこうスピード出ているな”と思い、ドライバーに“今220くらいかな?”と問うてみれば、“もう270ですよ”とアッサリ言われて、驚いた。加速と流れる景色の感じが新幹線のそれとよく似ていたのも、当然だ。
加速そのものでいえば、やはり8速になったオートマチックが利いていると思う。シフトアップ時の前のめりに繋がっていく感覚が素晴らしい。エンジンの制御もよくできている。ギアが上がるたびに、むしろ力強さが増していくようなフィーリングが、乗り手の気分を盛り上げる。
高速を降りても、楽しいクルマだった。旧型スーパースポーツやV8グレードほどではないにせよ、アジリティ豊かなハンドリングを楽しむことができる。開発者のいう、ラグジュアリーGTとスーパーカーの融合は、なるほど、高いレベルで達成されていると思う。
250km/hオーバーという超高速走行時の安定感は、ベントレー史上最高だ。
残念ながら、週末間近で意外に交通量が多く、330km/hはおろか、300km/hも達成できなかった。けれども、250~270km/hあたりの安定感から想像すると、旧型GTスピードが280km/hでなめるようにクリアしたフランクフルトの超高速右コーナーなら、300km/h近くでまわってくれるんじゃないか。
もう一度、アウトバーンテストに借り出したい、正に“コンチネンタル”(=大陸)なスピード・グランツーリズモ(=GTスピード)だった。
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