ベントレー コンチネンタルGTスピード 海外試乗レポート/西川淳(1/2)
- 筆者: 西川 淳
- カメラマン:ベントレーモーターズジャパン
高級ブランドは、むやみに姿カタチを変えてはいけない
現行のコンチネンタルGTをベースとする「コンチネンタル GTスピード」は、2012年8月末に行われたモスクワショーで正式デビューを果たした。フルモデルチェンジのときと同様、見た目にほとんど変化のないことを失望される向きも多いはず。
なるほど、コンチGT“そのもの”ではあるけれど、“代り映え”しない。
もっと変わって欲しかった、という意見はよくわかる。よくわかるけれども、ハイエンドブランドというものは、むやみにその姿カタチを変えてはいけない、とも思う。
変化するにしても、それは現状の価値を急激に損なわないように、できるかぎり漸進的であった方がいい。カタチを変えるということは即、過去の否定に繋がりかねないからだ。真のオーナーシップからの信頼を得るためにも、緩やかな変化が望ましい。
ベントレーやロールスロイス、アストンマーティンといった、ある意味、時間の流れが遅い英国貴族趣味を魅力の根底にひそませた高級ブランドは、なおさらだ。そもそものカタチに力強いオリジナリティがあるのだから、そこいらのモデルチェンジと同列に語ってはいけないと思う。
それよりも重要視すべきは、内面の磨き上げだろう。真の貴族が、その見てくれにこだわる以上に精神世界における人間性の向上を目指したのと、それはよく似ているのだった。
最高出力は625PS、最大トルクは800Nmへとパワーアップ
話題の中心は、アウトプット数値である。旧型ベースのスーパースポーツまで残り5hpに迫る「616bhp」(625ps)というマックスパワーと、「800Nm」というビッグトルクを得た。加えて、GTスピード登場を機に他のW12エンジン搭載グレードにも与えられた「8速オートマチック」の存在が、走りを期待させる。
パワーアップに併せて、もちろんアシ回りにも専用チューニングが施された。
前作(旧型ベースのコンチネンタルGTスピード)と同様に、車高はベースモデル比で10ミリのローダウン。ダンピングコントロールやパワーステアリング(サーボトロニック)といった電子制御系の最適化はもちろんのこと、ネガティブキャンバー量は15%増やされ、スプリングレートもフロントで45%、リアで33%それぞれアップ、ブッシュ類の硬化ももちろん実施されている。
足元に光るのは、21インチ新デザインホイールに専用チューニングのピレリ P ZEROだ。
「最高速」にこだわるベントレー
前作では、ベントレー初の時速200マイル(320km/h)オーバーという“スピード”にこだわった。結果、最高速は326km/hへ達したが、今回も“スピード”に挑戦している。
ターゲット数値は、ズバリ「330km/h」。
これを実現するために、パワートレインの性能向上はもちろんのこと、エアロダイナミクスの追究も重要な役割を果たしている。
最高速を上げるには、派手なエアロデバイスに頼った表面的なエアロダイナミクスよりむしろ、空気の流れを管理することが大事である。車体裏面の空力構造に“見えない”工夫を凝らした。“エンジンを効果的に冷やす”ための空力も考慮された。
フロントマスクの強面な表情は、なにも前方車両をあからさまに威嚇するためだけのものじゃない。それは空気を大量に吸い込んで、エンジンを常に“冷やしておく”ための工夫に満ちたデザインなのだ。
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