アウディ R8スパイダーに試乗|過激なのに扱いやすいオープンスーパースポーツ(2/2)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂 幸正/和田 清志
先代のR8に比べて大幅に向上したドライバビリティ
フットワークも大幅に洗練された。共通性の高いランボルギーニ ウラカンも、前身であるガヤルドに比べてドライバビリティが大きく引き上げられたと感じていたが、R8もまたしかりである。乗り心地からして、むろん初代もこうしたスーパースポーツとしては悪いほうではなかったが、やや路面への感度が高くつっぱった印象もあって、乗り心地を硬く感じる状況も多々あったところ、それが上手く払拭されている。ひきしまった中にもよく動いて路面の凹凸を巧みに受け流している印象で、快適性も高まっている。
ハンドリングも進化して、スタビリティが極めて高い中で、よりステアリング操作に対する応答遅れがなくなり、一体感が増している。また4輪、とくに前輪のグリップ感が初代とは段違いで、タイヤがより理想的な状態で路面に接している感覚で乗れるようになった。おかげでクルマの隅々まで神経が行き届き、コントロール性も高まっている。オープンカーでは気になるボディ剛性についても十分に手当てされていて、ハンデらしきものを感じることもない。そこはASFの強みでもある。
アウディ R8スパイダーは派手さ控えめのスーパースポーツ!
こうしたスーパースポーツとしては異例といえるほど快適で乗りやすいのも、このクルマならでは。それには従来のビスカスカップリング式に代えて電動油圧多板クラッチ式を採用した新開発のクワトロシステムも少なからず効いているはず。走行状況に応じて0-100%間で前後の駆動力を最適に配分し、操縦安定性を高めてくれるその恩恵は、悪天候や限界域での走行など条件が厳しくなればなるほどありがたみを増すことに違いない。
そんな卓越したドライビングパフォーマンスを身に着け、極めて高い完成度を誇りながらも、どことなく控えめでさりげないR8スパイダーは、いかにもアウディらしいオープンスーパースポーツである。
[Text:岡本 幸一郎 photo:茂呂 幸正/和田 清志]
アウディ R8スパイダー | |
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グレード | V10 5.2 FSI quattro |
価格 | 26,180,000円 |
駆動方式 | 4WD |
トランスミッション | 7速Sトロニック |
全長 | 4,425mm |
全幅(車幅) | 1,940mm |
全高(車高) | 1,240mm |
ホイールベース | 2,650mm |
乗車定員 | 2人 |
車両重量(車重) | 1,770kg |
エンジン | V型10気筒 DOHC |
排気量 | 5,204cc |
最大出力 | 540ps(397kW)/7,800rpm |
最大トルク | 55.1kgf-m(540N・m)/6,500rpm |
燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
タイヤサイズ | 245/35R19/295/35R19 |
サスペンション形式 | (前)ダブルウィッシュボーン |
最小回転半径 | -- |
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