アウディ A4 試乗レポート

アウディ A4 試乗レポート
フロントビュー リアビュー インテリア フロントシート エンジン 走り トランクルーム 画像ギャラリーはこちら

躍動的に変貌。

フロントビューリアビュー

アウディのイメージは、良心的で上品なクルマ。どちらかというと女性に人気の大人しいクルマという印象だった。しかし、アウディ自身はこのイメージを打破したいと考えたのだ。もっと、力強く、アクティブな人たちのクルマへと変身したいと思った。

そこで、まずスタイリングから、ということで、シングルフレームグリルを採用した。はじめてこのグリルを見たときは、ちょっと違和感をおぼえた。とくに写真ではその感が強いが、実車は写真ほど強烈ではなかった。

新しいA4もこのラインに沿ってスタイリングを変更してきた。はじめて新型A4を見たときはそのグリルとテールランプが主な変更点のマイナーチェンジかと思った。

ところが新型A4はルーフ以外のボディパネルをすべて新しくしたという。ホイールベースは旧型と同じだが全長と全幅は大きい。エンジンは3タイプ中、2タイプは新型になった。

新型のボディのふくらみは、ラゲッジスペースの拡大化へ。

インテリアフロントシート

A4のボディサイズはセダン、ワゴンともに同じ。全高はワゴンがルーフレールを装着しているので25mm高い。今回、30mm延ばされた全長だが、20mmはリアのトランク部分にまわされた。このためセダン、ワゴンともにラゲッジスペースは広くなった。ワゴンを例にとると、ラゲッジスペースの奥行は1030mm、左右幅は1020mmという1m以上の正方形が確保された。さらに、床下にはサブトランクも用意されている。

インテリアは旧A4とほとんど変わっていない。わずかにハンドル中央がアウディの4輪 マークからフロントグリルをイメージした逆台形マークに代わったことが目につく程度。

エクステリアはフロントグリルが、大口のシングルフレームグリルになり、ヘッドランプの形状も、トヨタマークX的なデザインになった。前後のフェンダーのふくらみも旧型 よりボディと一体化された。テールランプは横長の変形デザインを採用している。

躍動化は、走りにも。

エンジン走り

エンジンとミッション、駆動方式の組み合わせは次のようになる。

新搭載のV6、3.2Lと直4、2Lターボはガソリン直噴エンジンで、6速AT、4輪駆動(クワ トロ)、直4の2Lノンターボは旧型からのもので、CVT(7速MT付)、FF車 になる。

サスペンションも基本型は旧型と同じだが各パーツは、スポーツモデルのS4用のものを多用している。さらに一部は上級モデルA6のパーツも使われている。

2Lターボのクワトロモデルに試乗してみると2000回転からトルクを体感できる。さらにアクセルを踏みこむと3500からはスポーツモデルの加速を楽しめる。エンジンは1500回転あたりでややこもり音が気になった。ハンドリングは常に重めの操舵力。コーナーでのボディのロールは小さく抑えられている。室内は操作系はやや高め。リアシートはセダンよりもワゴンのほうが快適だった。

ライバルは新型BMW3シリーズ。

トランクルーム

2Lターボだけでなく、ノンターボの2Lモデルにも乗ったが、その走行性能はまったく問題なく、CVTの効率のよさも好印象。このクルマはセダンで406万円になる。

そこで気になるのは先に登場した、BMWの新型3シリーズとの比較だ。

アウディはプレミアム感で勝負をつけたいところだが、BMWはプレミアム+低価格、と いうセールスポイントを大々的に展開してきた。アウディは最近の車種ラインナップのなかで、A6、A8といった上級モデルに販売の中心を移行しようとしている。

しかし、現在のアウディユーザーの年令や生活シーンを考えると600万円から1000万円 のA6やA8は高額すぎる。やはり、このA4が中心になるだろう。

新型A4は2Lモデルが買い得感がある。しかし、スポーティさはイマイチ。ターボはかなりはやいが、車両価格も高め。もうひとつ、これという特徴がほしいところだ。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

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