メルセデス・ベンツ SLS AMG ロードスター 海外試乗レポート/西川淳(2/3)
- 筆者: 西川 淳
- カメラマン:メルセデス・ベンツ日本
新たにオプション設定された3つのサスペンションモード
ルーフとドアを取り去ると、ボディシェルの剛性は低下する。開発当初からロードスターの追加が予定されていたとしても、やっぱり落ちるものは落ちる。
その剛性低下はもちろんのこと、低下を補うための重量増加をどれだけ最低限に抑えることができたか。それが、この手のハイパフォーマンス・ロードスターにおける、ダイナミックパフォーマンスの見どころだろう。
主な対策は3ヶ所あった。肉厚とチャンバー数を増やしたサイドスカート、ウィンドスクリーンとセンタートンネルに対してダッシュボードのクロスメンバーを支えるストラット、リアアクスルを補強するソフトトップとタンクの間の湾曲ストラットだ。
こういった最適設計によって、カルマン製アルミニウムスペースフレームそのものの重量増加は、ルーフ部分と相殺してわずか2キロに留まり、車両重量増も40キロに抑えられた。軽量設計もまた、高性能ロードスターの必須項目だ。
電子制御ダンピングシステム(AMGライドコントロール)を新たにオプション設定したことも目新しい。
これは、サスペンションモードを“コンフォート”“スポーツ”“スポーツプラス”の三段階に切り換えることができるというもの。
“スポーツ”がクーペの標準仕様固定ダンパーと同等で、“スポーツプラス”がパフォーマンスパッケージと同等のセッティングらしい。つまり、“コンフォート”はもう一段、柔らかい。これは今後、クーペにもオプション設定される。
珠玉の自然吸気6.2リッターV8ドライサンプエンジンや、トランスアクスル式7速デュアルクラッチシステム/AMGスピードシフトDCTといった、主要メカニズムの表面的なスペックはクーペと同じである。
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