アルファロメオ アルファスパイダー 試乗レポート
- 筆者: 島下 泰久
- カメラマン:田村弥
新たなスパイダー伝説を生む3L V6パワー。
94年のパリ・サロンでデビュー、96年から日本に導入されているアルファ・スパイダーに、新たな心臓が与えられた。2Lツインスパークに代わって、そのノーズの下に収められることとなったのは、3LV6。そう、既にGTVに搭載されて定評の高性能ユニットである。
エクステリアに関しては特に変更は無いが、ボディカラーは1色増えて全7色となった。注目は、156で採用されて以来、アルファロメオのもうひとつのイメージカラーとなりつつあるヌヴォラ・ブルーの設定。これを選ぶとフルレザーの内装はトリムがブルー、シートがホワイトという何とも妖艶な組み合わせとなる。
鼻先に重たいV6を載せたため、ハンドリングは限界域でのアンダーステアが強めに出るようになった。けれど、そこまでの領域でならレスポンスは充分スポーティと言える。乗り心地が良いのも嬉しいポイントだ。
細かなことを言えばボディ剛性の低さは隠しようが無いし、個体によっては電動トップの位置決めが甘く、最後の手動ロックがすんなりはまらないなど、生産精度の低さも感じられるのだが、それとて決定的な不満とはなり得ない。新しいエンジンを得て、硬軟どちらにも対応した、より幅広い方向からアルファらしさを楽しめるようになったこのスパイダーは、日本導入から5年を経て、また新たな魅力を手にしたと言っていいだろう。
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