アルファロメオ アルファスパイダー 海外試乗レポート(3/3)
- 筆者: 西川 淳
- カメラマン:フィアット・オートジャパン
今、最もアルファロメオらしいモデルかも知れない
前述したように、スパイダーと言えども目指したのはアルファ新時代の走りの質であった。ブレラと同様のパフォーマンスを目指す、とはそういうこと。オープン化によって最も心配されるのは動的剛性の低下だが、高張力鋼板を効果的に用いることで、ポルシェ ボクスター並を実現したとエンジニアの1人は胸を張った。実際の乗り味はどうか。ブレラ同様に、否、ブレラ以上にFFと4WDのQ4とでは印象が違ったので、別々に記そうと思う。
まずはFFの2.2JTSから。ブレラではFFのタイヤ径がより小さいモデルが好ましく思えたものだったが、スパイダーFFではオープンモータリングの気持ちよさよりもオープン化のネガの方が気になったというのが正直な印象だ。開けているときのブルブルと始終震えるといったフロアの頼りなさはもちろん、クローズド時のキシミやユルさが最新スパイダーモデルというには大きすぎるのである。159以来、“かっちりしっかり静か”なアルファロメオに慣れた身には、「あらら」と肩透かしにあった気分だ。
もっとも、裏返して言えば、それこそアルファスパイダーの伝統の走り味、という評価も成り立つ。適当にユルくて、ドライバーもシャシー構成物の1つになって、一緒にひねられねじられしてワインディングを愉しむという感覚。好みの問題だが、そういう走りっぷりも捨てたものじゃない。
2.2JTSが、どんどんアルファらしいエンジンになってきたのは嬉しいかぎりだ。エンジンのフケもシャープだし、ギアレバーを操作する右手とダイレクトに繋がってトルクを生み出すような芯のあるエンジンフィールもいい。
一方のV6Q4はと言えば、クルマとしてのまとまりがFFとは比べ物にならなかった。ボディ補強によるバランス崩れもなく、FFより圧倒的に気持ちよく乗れる。ブレラではそのエキセントリックな動きに違和感を感じたものだったが、屋根のないスパイダーではそう感じる場面が少ない。FFに比べて足元ががっしりしているからであろう、街乗りでフロアを弱く感じることも少なかった。
走りは相変わらず豪快である。特にオープンの場合、エグゾーストノートがめいっぱい聞こえる。ブレラでもこんな音を出していたのかと、今さらながら159とブレラのNVH性能の高さに驚いた次第。とにかくアルファらしく派手なサウンドをぶち撒けて走る快感を、久々に味わった。今、最もアルファロメオらしいモデルかも知れな い。
アルファロメオの今後は、ブレラ&スパイダーをイメージリーダーに159&スポーツワゴンが大成功するか否かにかかっている。8Cクーペ&スパイダーが登場しても、それは次元の違う象徴でしかない。超高級でないクルマ好きのブランドとしては、スパイダーの成功が一番の鍵となるだろう。そして、成功の鍵を握るのは2ペダルミッションの早期導入である。
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