2009年上半期ベスト・バイ・カー【国産車】/小沢コージ
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:原田淳
トータルベストカー/トヨタ プリウス
正直、食傷気味だが、この圧倒的燃費と安さに敵う人はいまい。
なにしろ実質リッター20キロは保証済み!それでいて200万円チョイなのだから、よほどのクルマ好きか個性的な人じゃないとコイツを拒否できないだろう。
なんというか、今民主党に入れないとおかしいようなもので、“流れ”ってのがつくづく日本にはある。多少イキスギてるが。
しかし、走りや実用性、共に悪くない。
独特な加速はある種、毒を完全に取り去った「草食系」的だが、十分に速い。
ハンドリングも手応えは薄いが、不安はない。荷室も400リッター以上と十分。
まぁ唯一の欠点といえば、2年後には同じクルマが周りにあって仕方なくなることぐらいか。
ベストハンドリングカー/トヨタ クラウン マジェスタ
実は、クラウンほど質の高い走りをするクルマは、中々無いと思う。
ハッキリ言って、メルセデスやBMWと同等レベル。
特に、今のレクサスとプラットフォームを共有する最新型クラウンは、とにかくボディ剛性が高く走行中の振動も少なく静かだ。
特に、静かさについては圧倒的。しかも、ステアリングフィールも悪くない。
乗って直ぐの印象は、ドイツ車ほどのダイレクト感、生々しさがなく「コレって味あるの?」と一瞬思ってしまうが、1時間も乗ると薄口ながらもしっかりした味付けがされているのがわかる。
なんというか、良くできた和のお吸い物のようだ。
唯一の欠点は、あまりにオヤジ然としたイメージ。クラウン マジェスタが気になるかならないかは貴方次第!
ベストデザインカー/マツダ アクセラ
ハッキリ言って、今の国産車の中で一番デザインを考え、ブレが少なく、デキもいいのはダントツでマツダだと思う。某群馬のメーカーは逆に今が一番ツライ。
最大の魅力は、そのカタマリ感とラインの美しさだ。「ヨーロッパ車っぽい」と揶揄される所以だが、あれほどのカタマリ感はコピーでは出せない。
要するに、ヨーロッパメーカーと同等のデザインクオリティ、人材、システムを抱えている証拠だと思う。
唯一の欠点は、ごちゃごちゃした日本の街にはあまり生えないことだ。
ややラインの抑揚が過剰なので、饒舌でクドい印象を受ける。これが田舎やシンプルな景色のヨーロッパの中だととても気分がいい。その辺を差し引いて考えると素晴らしい。
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