トヨタ プリウス 2012年モデル 試乗レポート/飯田裕子 -マイナーチェンジモデル-(2/3)
- 筆者: 飯田 裕子
- カメラマン:オートックワン編集部
ボディ剛性強化で安定感・静粛性がマシマシ!
実用面ではコンソールボックスのカップホルダーを外に配置し、これは“ちょこっと収納”にも使えそうだ。さらにシートも2トーンカラーをメーカーオプションで採用し、室内のインテリアを楽しむ要素も増えている。
他にも最上級グレードの「G」シリーズにはヘッドアップディスプレイやスーパーUVカットガラス(フロントドア)が新たに標準装備される。
グレードによってUV性能や撥水加工などの効果が変わるのだが、99%の紫外線をカットするというスーパーUVカットガラスなんか全車標準にしちゃえばいいのに…とつぶやきたくなるのは私だけではないだろう。
ちなみに、車輌接近通報装置を全車に標準装備。これは25km/h以下でのEV走行中もしくは後退時に自動的に音を発し、歩行者に対して「静かなプリウスが接近していますよ」と伝えてくれる装置だ。
マイナーチェンジを行ったプリウスのドライブフィールはよりボディがガッチリとし、走行中の静粛性も高まっていた。ガッチリ感はリアドアまわりのボディのスポットを追加し、フロア部にも補強パーツが取り付けられたことが大きい。恩恵の一つは直進状態の安定感。
そしてもう一つはコーナーでハンドルを切りフロントタイヤが向いたほうに追従する『リアタイヤがしっかりとついてくる感覚』が以前よりも強く感じられる点だ。
またボディ剛性の強化に伴いサスペンションも若干の調整が行われたことで、乗り心地もマイルドになるという相乗効果を生んでいる。同時にリアドアを閉めるときの「パコンッ!」という空虚な音も聞かなくてすむようになったのも質感向上ぶりがうかがえるところだろう。
他にも細かな点では、EPSのニュートラル付近(直進の状態から少しハンドルを切るような領域)の操作感を軽くしさらに、リニア感を出すようなチューニングを行っているそうだ。
確かにマイナー前と比べればボディ剛性向上の効果とともにステアリングのリニア感が感じられるが、個人的には操舵に対するボディ(フロント)の動きが本当にもう少し(あまりリニアすぎると快適じゃなくなってしまうから)、もうちょっとだけシャープさが加わると、運転する楽しさが感じられるクルマにより近付くように思える、という欲が出てしまった。
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