テスラ モデルS 氷上試乗レポート/川端由美(1/2)

テスラ モデルS 氷上試乗レポート/川端由美
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EVの常識に囚われないモデル

テスラ モデルS

“EVって寒さに弱いんでしょう?”

そう思うのもごもっとも。

温度が低いと、電池の性能が悪化して、一回の充電で走れる距離が短くなったり、始動性が悪化したりすることが心配される。ただでさえ、ピュアEVは電池で重さが増しているから、これ以上の重量増加を避けて4WDの設定はほとんどないし、電気ヒーターで暖房すれば、その分のエネルギーを走行用から差し引くことになる。

テスラ モデルS

しかし、そんな「自動車業界の常識」に囚われないのがテスラ・モーターズのスゴイところ。

なにしろ、本国アメリカの次に売れている市場がノルウェーというのだから、クール!彼の地は購入補助金が充実している上に、元々、あまりの寒さでエンジン車も、再スタートに備えて電源を差し込んで暖気しておくというお国柄。ゆえに、ショッピングセンターやレストランの駐車場で気軽に充電できるなど、インフラが整っている。

テスラ モデルS

ただし、聞いただけでは納得できず、自分で試してみたいと思うのがジャーナリストの性。幸い「日本での新型“モデルS”の予約が好調で、本社からスノータイヤのボーナスが贈られて、氷上テストができることになりました」との朗報が入った。試乗会場となった長野県・八千穂レイクは標高1300mにあることもあって、真冬には湖が凍結して、おおむね2月末まで氷上ドライブが楽しめる。

初期の頃から、生産体制と共に加速度的に成長

テスラ モデルS

雪景色の中、2台の「モデルS」が並んで我々の到着を待っていた。

早々にステアリング・ホイールを握りたい衝動を抑えて、まずはテスラ・モーターズと新型「モデルS」についての座学を少々。「自分たちが乗りたくなるよいなカッコいいエコカーを作ろう!」と一念発起したシリコンバレーのエンジニアたちが起こしたEVヴェンチャーがテスラ・モーターズの始まりだ。

2003年に創業した後、2008年にようやく第一弾の市販車「ロードスター」を発売し、予定していた2500台を完売した。

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筆者は2006年からテスラの取材を続けてきたが、本音を言えば、この段階ではまだ海のものとも山のものともわからなかった。

EVヴェンチャーとしては、2500台「もの」EVを販売したことは素晴らしい実績だが、初期のロードスターはパフォーマンスに優れるものの、乗り味は荒削りだったし、パロアルトの本社工場は当時まだバックヤードビルダーの域で、自動車メーカーと呼ぶには心もとなかった。

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しかし、市販第二弾となる「モデルS」の発表後は加速度的に自動車メーカーへと正緒しつつある。

2012年に元GMとトヨタの合弁工場の跡地に新工場を設立し、年産2万台の体制を敷き、いわゆる「量産」をスタートした。工場では、原材料のアルミ・ロールからボディの組み立てまで、一貫した生産を行っている。大型のパネルも成型可能な6軸の油圧プレス機に加え、電池パック、内装の組み立て、プラスチック部品の成型まで備えている。

生産体制もさることながら、「モデルS」のクルマとして出来が素晴らしい。

1回の充電で走れる距離は約390~500kmと十分な実用性を確保した一方で、最上級のハイパフォーマンス仕様となる「P85」は0−100km/hを4.2秒で加速と、スポーツカー並みの動力性能を誇る。

当初、走行距離が300km以下のエントリーグレードを5万ドル以下で発売して話題になったことも記憶に新しいが、いざ、フタを開けてみると、最廉価版を注文した人がほとんどいなかったため、航空会社さながらに「無償アップグレード」を行った。その結果、60kWhのリチウムイオン電池を積んで約390kmの巡航距離を謳う「60」が事実上のエントリーモデルとなる。

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川端 由美
筆者川端 由美

1971年生まれ。大学院 工学専攻 修士課程修了。1995年住友電工にて、カーエレクトロニクスやタイヤの研究にたずさわる。1997年、二玄社『NAVI』編集部に編集記者として転職。2004年からフリーランスの自動車ジャーナリストとなる自動車の新技術と環境問題を中心に取材活動を行なう。エンジニア、女性、自動車ジャーナリストといったハイブリッドな視点でリポートを展開する。国土交通省・独法評価委員会委員、環境省・有識者委員ほか。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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