軽の販売シェアが急落!新型投入も軽の新車販売は伸び悩む
- 筆者: 国沢 光宏
販売シェアで40%に達し「このままだと売れるクルマの半分は軽自動車になってしまうのでは?」と言われていた新車の販売状況が変化しつつある。軽自動車の売れ行き、頭打ちになってきたのだ。
2015年10月はダイハツ キャストなど、新型車の投入や競争の激化により販売現場も盛り上がったものの、前年同月比で89.2%に留まってしまった。参考までに書いておくと普通乗用車は落ち込みに歯止めが掛かり同100%。
1月~10月までの販売台数を今年と昨年で比べても、軽自動車は約15%落ちの85.3%に対し、普通乗用車は93.5%。
1998年に現在の車両規格なって以降、初めて軽自動車シェアが大きく落ち込んだ。この状況、多くの関係者は一時的な動きだと判断しているようだけれど、販売現場などから話を聞くと、どうやら全体の流れが変わってきたような雰囲気。新型車を出しても一時的にしか盛り上がらないという。
なるほど大幅な軽量化を行い、燃費の改善してきたスズキ アルトの販売台数を見ると、旧型車だった前年10月の販売台数に届いていない。
今年はアルトの他、アルトの台数に含まれるラパンという新型車までフルモデルチェンジしたのに落ち込んでしまった。
ダイハツ キャストも発売直後は受注が多かったけれど、ここにきて伸び悩んでしまっているという。ホンダも軽自動車部門は赤字とか。
なぜか?そもそも新規軽自動車ユーザーは31~41歳に代表される「クルマ離れ層」に多く、皆さん道具としてクルマを買っているようなのだ。クルマを道具として考えるなら、使えるうちは使う。
今の日本車は素晴らしい耐久性を持っており、軽自動車であっても15年/20万kmくらい平気で走ってしまう。確かに古い軽自動車が目立つ。乗り換えてくれなければ、行き渡った時点で売れなくなるという寸法。
しかし30歳以下の若い世代は案外クルマ好きが多い。ディーラーに聞くと「明らかにクルマに対する嗜好性が変わってきました」。
入場者数が前回よりも減った今年の東京モーターショーでも若い人の姿は前回以上に見かけた。もちろん軽自動車を購入する若い人だって少なくない。けれど普通車を選ぶ人が着実に増えている。
クルマ離れ層以上の人達は、そもそも軽自動車より普通車の販売シェアの方が多かった。
猛烈な勢いだった「軽自動車の快進撃」はこのあたりで止まるかもしれない。
[Text:国沢光宏]
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