[スタッドレスタイヤ テスト]トーヨータイヤ OBSERVE GARIT GIZ(オブザーブ・ガリットギズ) 試乗(2/3)
- 筆者: 飯田 裕子
- カメラマン:TOYO TIRES
OBSERVE GARIT GIZの性能を支える大きな特長、アレコレ
そんなOBSERVE GARIT GIZの性能を支えている大きな特長は・・・
まず、タイヤと氷の間にわずかな摩擦によってできる薄い水膜を、タイヤの中に配合された“NEO吸水カーボニックセル”が吸水。そこに氷点下でもゴムの柔らかさをキープする“ナノゲル”という接地面が路面の凹凸にもしっかりと密着。“クルミ”が路面を引っ掻くという流れがつくられている。
瞬時にしっかりと水分を吸い取る“NEO吸水カーボニックセル”は、トーヨータイヤがこれまで採用してきた同種のパウダーと比べて、20倍の吸水力があるそうだ。路面の大小の凹凸(フラットに見える路面にも、クルマが運んできた水分や雪がクルマの熱や日中の温度で融けては塊になって、いつしか凸凹を形成している)と柔軟に接することのできるナノゲルは、購入から1~2年後でもその柔らかさを維持できるらしい。その柔らかなゴムに入る細かなサイプは、3Dサイプを採用することで、凹凸やわずかな荷重の変化によってヨレそうなゴムの倒れ込みを防ぐ。
さらにこの3Dサイプ自体も吸水性能を持つ。加えて“コンビネーションブロック”がブロック単位での支え合いも行うため、タイヤに前後/左右の負荷がかかってもヨレっとしないのも、安心材料のひとつとなる。
そのしっかり感、安心感は冬の舗装路でもしっかりと実感出来る
他にも細かな性能を挙げたらキリがないが、転がる度に瞬間瞬間で変わるタイヤ接地面の狭い世界では、骨格からはじまり、ゴムのなかに配合される顕微鏡サイズの物質から、表面のサイプや溝までが、複合的かつ効果的に氷や雪、舗装路などに働きかけているのだ。
ちなみに舗装路でのしっかり感は、速度域の高い高速道路でも安心できる頼もしさも十分アリ。というのも実は今回、OBSERVE GARIT GIZ装着車で一般道を走るチャンスがあり、個人的には制動性能の高さに何度も感心し安心感を抱いたからだ。
また峠道では、雪上を思い通りに走行ラインを走る安定感や、雪や氷、ウエットと乾燥路がミックスされたような路面変化にも動じぬ頼もしさも体感できた。それに乗り心地も良く、静粛性も高い。
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