ポルシェ911とシトロエンDS、独仏の異なる曲線美を堪能【オートモビルカウンシル2017】
- 筆者: 遠藤 イヅル
- カメラマン:小林岳夫
ドイツ車はポルシェ、フランス車はシトロエンを中心にしたラインナップ
2017年8月4日~6日、千葉県千葉市の幕張メッセで「オートモビルカウンシル2017」が開催され、国内外メーカーのほかヘリテージカーの輸入・販売・整備に特化した様々なガレージ、専門店、クラブが数多く出展して会場を盛り上げた。今回はその中から前回の「イタリア車」に続いて「ドイツ車」「フランス車」編をお送りしよう。
新車のようなコンディションの911にタメイキ!
ドイツ車でビンテージカーといえば「クラシック・ポルシェ」を思い浮かべる人も多いだろう。会場には「ショップナインプロダクション」と「THE GARAGE WORKS」がそれぞれ4台の911を並べて注目を集めた。
1964年に登場した911はビンテージカー市場では価格が高騰している大人気車種となっている。静岡県浜松市のポルシェのスペシャルショップ、ショップナインプロダクションが展示した、911をモチーフにしたボンネットストライプも貴重な「911 Carrera2.7」(バンパーが大きくなったいわゆる930型、1974年)は、新車と見間違うほどの抜群のコンディションだったこともあり、驚きの3240万円というプライスタグが掲げられていた。
いまやゴルフ2もビンテージカーの仲間入り!?
1974年に登場以来、代を重ねてもずっと世界の実用ハッチバック車のベンチマークであり続ける「VW ゴルフ」。現行型で7世代目となるため、ゴルフVIIとも呼ばれる。ゴルフの発売まではタイプ1(ビートル)から始まるリアエンジン・リア駆動(RRレイアウト)車がメインで時代に遅れ気味だったVWを、一気に近代的・先進的モデルを発売するメーカーに変化させた立役者でもあった。
2代目ゴルフは、その初代ゴルフのコンセプトを継承して1983年に登場。ゴルフIIという名称で親しまれているモデルだ。1980年代らしいモダンさ、実用性の高さ、虚飾を廃した内外装デザイン、ボディ強度を感じさせる太いCピラーを持つスタイルで今なお人気が高い。
神奈川県相模原市の「スピニングガレージ」は知る人ぞ知るゴルフIIの“専門店”で、広大な敷地に膨大な数のゴルフIIをストックしていることで知られる。今回のオートモビルカウンシルに同社は美しい状態に整備されたゴルフI/IIの4台を展示、希少なスポーツカーや1960〜1970年代のモデルが多いこのイベントで委細を放っていた。
中でも注目は「ゴルフカントリー」(1991年)だ。これはゴルフの外装をRV風に仕立てたモデルだが、駆動方式もきちんとシンクロと呼ばれる4WDにされていたことも特徴。4WDシステムを含む製造を、メルセデス・ベンツGクラスの製造で知られるオーストリアの「シュタイア・プフ」が担当していた。日本での正規販売は110台ほどという希少車だ。
ズラリと並ぶシトロエンDSは圧巻
フランス車の展示で最大勢力だったのはシトロエン。しかもそのほとんどが京都のシトロエン専門店「アウトニーズ」が用意した「DS」をはじめとするヘリテージシトロエンで、同社のブースにはなんと5台のDSのほか「SM」(1970年)、「Ami8 Break」(1970年)、「2CV」(AZL、1959年)の計8台を展示。フランスのクラシックカーイベント、レトロモビルのメーカーブースのような圧巻さだった。
戦前からFFレイアウトの「トラクシオン・アヴァン」を開発したシトロエンがその後継車として1955年に発表したDSは、オイルと空気を用いたサスペンション「ハイドロニューマチック」を採用、20年以上先を行っていると言われた斬新なスタイルとともに、自動車史の中でも重要なモデルとしての評価を得ている。DSには装備を省いた廉価版のID(のちにDスペシャルとDスーパーに改名&分化)が存在し、それらを含めて「Dシリーズ」とも称されるが、DSと廉価モデルとの差異(ホイールキャップなど)を会場でも確認することが出来た。
エンジンが2つで4WD!?というビックリ設計の「シトロエン2CV サハラ」
1987年に設立され今年で30年を迎えるCG CLUBのブースには、これまたとても貴重なモデルが展示されていた。それが「シトロエン2CV サハラ」だ。
シトロエンが同社の大衆車2CVをベースに、1962年までフランス領だったアルジェリアの油田開発用に開発した4WDモデルで、4WD化するためになんと前後に425ccフラットツインエンジンを搭載するという奇想天外なアイデアを採用している。前後のエンジンは同調していないためイグニッションキーは2つあり、前のエンジンだけをかければFFに、後ろのエンジンだけで走ればRRにもなるというのだから驚きだ。燃料タンクはフロントシート下、左右に設置されており、給油口がドアを突き抜けるというこれまた簡潔、合理的?な設計になっている。展示車はアメリカから持ち込まれた個体で、走行距離は多いもののそれを感じさせない程度の良さにビックリ!
「05世代」プジョーの展示に感涙!
プジョーを中心としたフランス車のスペシャリスト「原工房」は、「プジョー205GTI」(1990年)、「プジョー405グリフ」(1990年)、「プジョー309GTI」(1988年)という40代・50代には懐かしい「05世代」のプジョー3台を並べていた。
1983年に登場してプジョーを若々しいイメージに変えた大ヒット作「205」も今やすっかり数を減らしてしまい中古車価格の高騰傾向も見られる中、同社が展示した205GTIには80万円という魅力的なプライスとなっていて、多くのファンが腕組みをして唸るシーンが見られた。405グリフはミドルクラスサルーン405に1990年に追加されたグレードで、本革シートを持つ上級仕様だった。
そして一部のクルマ好きが足を止めていたのが309。205をベースにホイールベースとボディを伸ばしたモデルで、トータルバランスに優れていたことから高い評価を得ていたモデルである。05世代なのに「09」という車名なのは、本来このクルマがプジョーではなく同社傘下にあった「タルボ アリゾナ」というモデルとして開発されたのに、発売時にはプジョーに組み込まれたため、空き番号・飛び番号的な「09」を選んだのではないかと思われる。こちらも手が届きそうな価格だった。
オートモビルカウンシルに並ぶ販売車は、このように決して高価なモデルばかりではないことも特徴である。
[レポート:遠藤イヅル/Photo:小林岳夫]
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