プジョー 508 海外試乗レポート(1/3)

  • 筆者: 河村 康彦
  • カメラマン:プジョー・シトロエン・ジャポン
プジョー 508 海外試乗レポート
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中国市場への配慮が表れている508のボディサイズ

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308と並ぶプジョーの基幹モデルである407シリーズと、全ラインナップのフラッグシップ役を担ってきた607。そんな従来の2つのモデルを統合するカタチで、2010年秋に開催されたパリモーターショーで披露されたのが、最新ブランニューモデルである新型「508」シリーズ。

独立したトランクルームを備える4ドアサルーンと、「SW」を名乗るステーションワゴンという2タイプで構成されるこのモデルは、同時に「プジョーの新しいフラッグシップ」とも紹介される。

そんな508シリーズの立ち位置をまず明確に表すのが、407より明確に大型化されたそのボディサイズだ。

厳密にはSWの方がわずかに長いものの、2つのボディタイプは共に全長が4.8m級。全幅は1.8m台半ばでホイールベースが2,817mmというサイズは、いずれも407のそれを確実に上回る。中でも注目したいのはホイールベース。これは407比で一挙に90mm近くも延長された。

そんな各ディメンションの決定には、このクラスのモデルが大きく需要を伸ばしつつある中国市場の影響も少なくないようだ。

当初は検討されたという「広い後席空間を求める中国向けと、それほどの広さは求めないその他市場向けのサルーンのボディの作りわけ」は、結局は行わないという結論に。

その時点で、両者の要求を共に満足出来るサイズとして決められたのが現在のホイールベースだという。

プジョー 新型508

ちなみに、そんな経緯から基本サイズが決められた508のフロントマスクは、ご覧のようにこのところ一連のプジョー車が採用してきた大胆でアグレッシブな表情に対し、より端正なイメージへとかなり趣を異にしている。

記憶力の良い人であれば、そんな508の顔付きが既に発表済みのコンセプトカー「SR1」に準じたものである事に気付くはず。

そう、508に採用された表情というのは、“これからのプジョーマスク”そのものであるはず、という事だ。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

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