プジョー 508 海外試乗レポート(3/3)

  • 筆者: 河村 康彦
  • カメラマン:プジョー・シトロエン・ジャポン
プジョー 508 海外試乗レポート
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これってハイドロサス?予想と期待を遥かに超える「快適性」

プジョー 新型508

しかし、そんな508での“真の驚き”は、実際に走り出した後のシーンに集約されていた。

何故ならば、このモデルの走りのテイストは、特に静粛性や乗り心地といった『快適性』の項目が、事前の予想と期待を遥かに超えたものであったからだ。

路面のうねりをしなやかに吸収しつつ、そんな路面変化に対して積極的にサスペンションをストロークさせながら高いフラット感を演じるかのようなフットワークのテイストは、一瞬「これって、“ハイドロサス”?」と錯覚を抱かせるかのよう。

それはまるでC5やC6といったシトロエン上級モデルのお株を奪ってしまうかの出来栄えで、路面パッチを通過した際などの高周波振動の処理の仕方は、こちらの方が上と感じられるくらいだ。

加えて、ロードノイズの小ささが“圧倒的”で、それがまたプジョー車らしからぬ(?)静粛性と走りの上質感をもたらしている。

プジョー 新型508

少なくとも、日本でも使う速度を上限とした範囲内であれば、プジョーらしく自在で正確なハンドリング感覚に加え、「ベスト in クラス」と呼べる乗り心地の良さと静粛性の高さを誇るのがこのモデルなのだ。

一方、0~100km/h加速は10秒弱、最高速は220km/h前後とカタログ上では十分なスペックを謳っているものの、1.6リッターターボの心臓はエンジン回転数が大きく下がると、そこからのトルクの回復にはやや手間取るシーンも見られた。

あるいは、このあたりはトルクコンバーターの助けが期待出来るAT仕様の方が有利なポイントかも知れない。ここは、改めて日本仕様に触れる事が出来る日が楽しみなところだ。

いずれにして、どこをとっても「期待と予想以上」と賛辞を送る事が出来るのが508というモデル。日本向け仕様は、サルーンとSWが揃って今年半ばでのリリースが予定されている。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

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