キャンピングカーの悩ましい“アノ問題”を技術で解決した“NV350グランピングカー”ほか、国産ワンボックスバンキャンピングカーから3選[JCCS2017]
- 筆者: 遠藤 イヅル
- カメラマン:オートックワン編集部・日産自動車
キャンピングカーユーザーが抱える切実な要望を叶えるNV350キャラバングランピングカー
アジア最大級のキャンピングカーの祭典「ジャパンキャンピングカーショー2017」が、2月2日(木)〜2月5日(日)まで幕張メッセで開催中だ。キャンピングカー本体は当然のこと、アイテムや技術にも注目が集まるが、その中には”電源や熱源の確保”に関する展示も多かった。
キャンピングカー車内で滞泊する時やレジャーを楽しむ時は、液晶テレビ、照明などのほか、調理の際に電子レンジなどを使う機会もある。また、より快適な空間を提供するため、可能ならエアコンも使用したい。でもアイドリングストップが必要なのは当然のことだし、かといってエンジンを切ってはバッテリーがもたない。そこで、小型発電機やサブバッテリー、ソーラーパネル、ガスにかわりキッチンをIHグリル化したり、暖房を灯油ヒーターにするなどの様々な工夫で、この問題に対応しているようだ。
日産自動車は、キャンピングカーユーザーの声として多く聞かれるこの「エンジンを切ったときの電力の確保問題」を解決するひとつの方法として、同社の100%電気自動車リーフで培ったEV技術を活用した大容量・高出力リチウムイオンバッテリーコンポーネントを電力供給装置として搭載したキャンピングカーの開発を推進。ジャパンキャンピングカーショー2017にて”NV350キャラバン リチウムイオンバッテリー搭載 グランピングカー”を展示した。
架装ビルダー向けベース車両として2017年度内に市販が予定されているNV350キャラバン グランピングカーは、車内では睡眠をせず調理場やちょっとした休憩が可能なラウンジ風シートを備えたクルマとして設計されており、グランピングに特化した設計としたことが特徴だ。グランピングとはグラマラス(Glamorous)とキャンピング(Camping)を掛けあわせた造語で、テントや簡易的なコテージではなくホテルなどが提供する豪華で快適なサービスを受けられる場所で宿泊する新しいアウトドアスタイルのことで、日本各地にもグランピング場が次々と誕生している。
グランピングでは従来のキャンプ同様に調理も重要なアクティビティのひとつとなっているため、NV350キャラバン グランピングカーでは一般住宅顔負けのIH調理器、電子レンジ&冷蔵庫、エアコンや大画面の液晶TVなどさまざまな電化製品を搭載。本格的な流し台を使って快適に調理を楽しめる。
また、コンセントをつなげば既存のドライヤーやプロジェクターなどの各種家電ももちろん使用可能。グランピングカーにつないで暖房器具をテントの中に入れて暖をとったりするなど、新しい使用方法も考えられる。
搭載されているリチウムイオンバッテリーは総電圧360V、定格出力2.0kw、総電力量12kwhを誇り、単層交流100V(50-60Hz)にて電力を供給する。充電時間は8時間だが、2泊3日程度のキャンプなら充電をせずに楽しむことが出来るという。車内は調理場のほかにオフホワイトと木目パネルを基調としたラグジュアリーな雰囲気のラウンジ風ソファを備え、夏冬ともに快適に過ごすことが可能だ。
スーパーオートバックスでリチウムイオンバッテリー搭載のキャンピングカーが買える!
キャンパー鹿児島がトヨタ ハイエースをベースに架装するキャンピングカーの人気シリーズ「rem Forest」も、同様にキャンピングカーにリチウム蓄電システムを備えている。同社が「KULOS 」(クロス)と名付けるこの車載用リチウム蓄電システムは、最大出力1500VAで液晶テレビや電子レンジ、家庭用エアコンを10時間以上連続で駆動させることが可能で、たとえば600Wのエアコンなら連続約13時間運転させることが出来る。
もちろんキャンピングカーとしての機能も充実していることは言うまでもない。外観は運転席側の後部窓が出窓風に変化している以外はキャンピングカーらしいイメージがないため、キャンピングカーショー2017ではその特徴を生かして用品小売大手のオートバックスがカスタマイズ。
塗装はオリーブグリーン×クリーム色のルーフとアンダーボディストライプとホイールでクラシカルなイメージに。出窓部分やドアミラーも木目調としたことで、キャンピングカーらしさを残しつつもカスタムカーのような雰囲気に変身している。「キャンピング性能」だけではなく、走行性能を高める足回り変更やオーディオカスタマイズを行うことで、「クルマの価値を高める」1台をアピールしているのが特徴だ。なお、キャンパー鹿児島製キャンピングカーは、オートバックスでのキャンピングカー販売展開開始に伴い、スーパーオートバックス東京ベイ東雲、かしわ沼南(千葉県)、名古屋ベイの各店舗で購入が可能となっている。
まさに動くラウンジ!真っ白なインテリアがゴージャス!なハイエースも
バンボディそのままにキャンピングカーに架装するバンコン(バンコンバージョン)のベース車両として圧倒的な人気を誇るのがトヨタ ハイエースだ。様々なビルダーから各種キャンピングカーが開発されており、今回のショーでも会場に数多く展示されている。
その中でも特に印象的だったのが、1986年創業でラグジュアリーなキャンピングカーの製造を得意とするセカンドハウスが販売する「WINGS PREMIUM」だ。
ハイエースベースのキャンピングカーの内装は質素で実用的なものや、シックな内装で高級住宅のような雰囲気を持つもの、そして黒い内装で統一されてダウンライトで分厚い黒革風シートが照らし出されるような「ゴージャス系」などさまざまだが、ゴージャス系のWINGS PREMIUMは白いキャプテンシートのみならず大理石風の床、真っ白な壁などホワイトを基調としたインテリアでラウンジ感がさらに強調されているだけではなく、それでいて後部ソファがベッドに早変わりして本格的なキャンピングカーになる。この内装だとキャンプ向けの実用的なアウトドア向けの服装は似合わないし、汚れが目立つ白い内装はキャンプ=アウトドアという概念から考えると衝撃的。どんな状況でどんなユーザーがキャンプとして使用するのかを考えると興味深い。
なお、WINGS PREMIUMではシートや床、壁面は指定カラーからの選択も出来る。
[レポート:遠藤イヅル/Photo:オートックワン編集部・日産自動車]
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