まるで欧州車!? 2017年日本発売期待の日産 新型マーチが大変身した理由
- 筆者: 桃田 健史
想定外!日本ユーザーからの絶賛の声
「まさか、ここまでユーザーからの“引き”がいいとは、思っていませんでした」。
10月上旬の仏パリショーで世界初公開された、日産のコンパクトカー新型マイクラ。Vモーションのフロントマスクと、ブーメランランプ・シグニチャーのリアビューは、まさに次世代日産デザインの集大成だ。日本国内向けにはマーチとしての販売が期待されるなか、日本ユーザーの関心度が極めて高いという声が、日系自動車メディア各社から聞こえてきているのだ。
この「まさか」という言葉に秘められた意味には、以下のような項目が考えられる。
1.実質的なライバルであるホンダ フィット、トヨタ ヴィッツ、マツダ デミオに対して、日本市場では最近、マーチの存在感が極めて希薄。
2.日産にとって、日本のコンパクトカーは今後、マ―チを切り捨てて、ノートに集約されてしまうのかもしれない。
販売台数を見ても、マーチが年間販売台数でモデル別トップ30にランクインしたのは、3年前の2013年まで。現行の第四世代は2010年発売だが、モデルライフ中盤以降の販売の落ち込みが大きいのは確かだ。
2013年以降にマーチが日本で売れなくなった理由
こうした2013年以降にマーチが日本で売れなくなった最大の理由は、日産のモデルラインアップのなかで、マーチの商品としての立ち位置が狭まったからだ。
特に、マーチより価格の低い、デイズとデイズルークスの影響が大きい。
日産は2011年、三菱自動車と軽自動車を共同で企画・開発するNMKV社を設立し、軽自動車市場への本格参入を始めた。2013年に量産開始後、デイズ、デイズルークスの販売は確実に伸び続け、いまや日産の国内販売のなかで軽自動車が最も大きな割合を占めるに至った。軽自動車の見た目と走りのクオリティが急激に上がるなか、少し価格の高く、軽自動車のような税制優遇が少ないマーチが商品として見劣りし始めた。
さらに、マーチよりも少し価格が高いノートは、日産自動車九州で、調達コストの低減と商品としてのクオリティアップの両立を目指し、商品企画から生産までを一括した大幅な改善が行われた。
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