知ってました?クルマの燃費良くしようとエアコン25℃以上設定は逆に悪化です!

お盆シーズンを迎えたこの時期、帰省ラッシュによる交通渋滞は毎年恒例の悩みのタネ。そんな中、自動車部品メーカーのカルソニックカンセイが真夏の車内クーラーの効果的利用法を公開した。

知られているようで知られていない、誰もが簡単に実践できる対策術は必見だ。

【豆知識1】オートエアコンの温度設定、日本車は「25℃」欧州車は「22℃」を推奨

高い温度に設定しても逆に燃費は悪くなる!?ベント吹出口を上手く調整して後部座席も快適に!

●夏季、燃費を良くしようと、暑さを我慢して、エアコンの温度設定を高くしてしまいがちだが、実はこれは得策とは言えない。家庭用エアコンは設定温度を下げるほど電力を消費するので、カーエアコンも同様に設定温度の低い方が燃費が悪くなると思っている方も少なくないかもしれないが、実は違う。設定温度が低すぎても高すぎても同じくらい燃費に影響してしまうんだとか。

カーエアコンは、まず、吸い込んだ空調風を冷却・除湿し、その後、エンジンから発生している熱とこの冷たい空気を混合させることで温度調節(再加熱)をおこなう。内気循環の場合、これにより、設定温度が高いと、その室温の空気を再度0℃近くまで冷却するためにより多くのエネルギーが使われる(=燃費悪化)ことになる。

日本車は「25℃」、欧州車は「22℃」が温度設定の中心のため、エアコンはこの温度を基準にしておくのがおススメ。

●また後部座席に冷風供給したい場合、中央にあるベント吹出口を後席に向けるのが最適。車両の左右にもベント吹出口があるが、サイドウィンドウガラスに接しながら流れていくため風温は高くなり、中央よりも非効率的になる。

【豆知識2】ドライブ中の眠気の仇敵はCO2(二酸化炭素)!内気循環と外気導入に気を付けて!

●渋滞で長時間車内にいたり、内気循環のまま運転していると、車室内のCO2(二酸化炭素)濃度が高くなり、眠くなることがある。

CO2濃度はだいたい3万ppm(=3%)になると吐き気や頭痛がおき、8万ppm(=8%)になると昏睡状態になると言われているが、セダン型の車両で内気循環、4名乗車でもせいぜい4000ppm(=0.4%)くらいなので、すぐ眠くなる条件ではない。

だが、快適な運転をキープするために、内気循環を使う時は、時々(30分に1回程度)外気導入をおこなうことをオススメする。ちなみに、欧州車は積極的に外気導入を使う仕様で、内気循環に設定していても、一定時間で自動的に外気導入になるものがある。

●また、車内のCO2濃度に限らず、眠気対策として気を付けておきたいのが食事のとり方である。食事の後は、食べすぎると、インスリンが多く出て血糖値が下がり、眠くなる。そして意外と知られていないが、空腹でもやはり血糖値が下がり、眠くなってしまう。適切な食事量で、血糖値を下げすぎないことが眠くなりにくいコツなのだ。

もちろん、眠いときは眠るのが一番。ただし30分間以内がおススメ。これ以上眠ってしまうと、体温が低下し意識レベルが下がったままになってしまうんだとか。

【豆知識3】カーエアコンの能力は、家庭用エアコン以上に強力!乗員の健康管理の一端を担っている

●家庭用エアコンは、冷房用で2.0kWクラスから4.0kWクラスまである。一方、カーエアコンは、ほとんどが4kW以上の能力を有している。室内の広さでくらべれば、1/4~1/5くらいのクルマだが、能力は非常に高く、しかも熱交換器は家庭用の半分以下の大きさ。つまりクルマのエアコンの熱交換器は、非常に高い能力を持っている。

もし室内用の熱交換器を比較することができれば、フィン(非常に小さい熱交換用の板)の大きさがまったく違うことに気づくだろう。クルマの部品はクルマの限られた空間に載られなければ意味のない世界。搭載できない大きさなら、いくら性能が良くても採用されない。この厳しい条件をクリアするため、クルマの熱交換器は20年間で1/3の大きさになった(エバポレータ※の場合)。

●ではクルマのエアコンはどうして強力な能力を持っているのでしょうか?それは、住宅環境に較べ、断熱性が劣るから。夏季、日射光が入る窓ガラスの近くに長時間座る人はいないが、クルマではそういう環境で運転をしなければならないからだ。

※エバポレーター:膨張弁で減圧し低圧・低温になった冷媒で、空調風を冷却・除湿する熱交換器。クルマは住宅環境より狭い空間に何人も搭乗するため、呼気に含まれる水分で、窓が曇りやすい状態になる。これを防いで安全な視界を得るためと快適な温湿度空間をつくるために使われている。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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