日産、100%電気トラックの実証運行を開始
日産は、小型トラック「アトラス」をベースに、「リーフ」のコンポーネント(モーター、バッテリー)を最大限活用した電気自動車(EV)システムを搭載している、100%電気トラック「e-NT400テストトラック」の実証運行を、富山市と4月15日より開始すると発表した。
富山市は、2011年12月に環境未来都市として国から選定されたことに伴い、「公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり」を核に、質の高い魅力的な市民生活づくりや地域特性を活かした産業振興などに取り組みつつ、環境問題や超高齢化などの課題に対応した持続可能な都市の実現を目指している。
今回の実証運行は、その取組みの一つとして実施されるものであり、富山市は日産が貸与する「e-NT400テストトラック」のモニター車を約2か月間、富山市環境センターの資源ごみ回収車として、資源ごみ回収ステーションから処理場への輸送業務用電気トラックとして活用し、その実用性を検証する。日産は、実験で得られたデータをもとに、走行性能や充電の運用などに関する検証を進め、今後の開発に生かすとしている。
「e-NT400テストトラック」は、排気ガスを一切出さないことから、都心部のエンジン車乗り入れ制限のあるエリアにも入っていけるほか、低騒音であることから、深夜の時間帯でも運行し易い車両となっている。さらには、80kWの電動モーターと高出力・大容量のリチウムイオンバッテリーにより、振動が少なくスムーズな加速と乗り心地を実現し、ドライバーにも優しいトラックとして新しい運転感覚を提供する。今回のモニター車はJC08モードでの航続可能距離が約62キロであり、更に、30分間で容量の80%まで充電可能な急速充電機能を内蔵している。
日産の取り組み
日産は、ゼロエミッション領域におけるリーダーとして、「リーフ」をはじめとする乗用の電気自動車に加え、商用電気自動車の開発・普及にも注力している。2014年は小型商用バン「NV200バネット」をベースとした電気自動車「e-NV200」を、欧州と日本市場に投入。
加えて、EVの開発を行うだけではなく、EVを普及させ持続可能なモビリティ社会を構築するために包括的な取り組みを行っており、それは、リチウムイオンバッテリーの生産・リサイクル・二次利用から、充電インフラの整備、内製急速充電器の開発にいたるまで、多岐にわたる。さらに、ルノー・日産アライアンスとして、世界各国の政府や自治体、企業などと、既に100件を超えるゼロエミッションモビリティに関するパートナーシップを締結している。
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