トヨタ、「省エネルギー」や「燃料の多様化」への取り組みの最新開発状況と2015年までの展開計画を発表

2015年末までに新型HVを21モデル投入。新型EV「eQ」を開発

トヨタ eQ2.5L-AR系ガソリンエンジントヨタ eQとトヨタ プリウスPHVFCバス

トヨタは、燃費向上・エミッション低減に向けた「省エネルギー」と、電気や水素をなどの代替エネルギーの利用促進による「燃料の多様化」を基本方針とした、環境技術開発の最新状況と2015年までの展開計画を公表した。

「省エネルギー」への取り組み

世界最高の最大熱効率を追求した新開発ガソリンエンジン、高性能クリーンディーゼルエンジンや高効率トランスミッションの開発状況を公開した。

新開発のガソリンエンジンは、アトキンソンサイクルと直噴D-4Sシステムを採用した新型「2.5L-AR系ガソリンエンジン」をHV用として新開発。搭載したHVを、2013年以降市場投入する。

また、新型「2.0L-AR系ターボチャージャー付きエンジン」搭載車を、2014年以降市場投入。

高性能クリーンディーゼルエンジンについては、燃料噴射システムの高圧化、小型で高効率のターボチャージャーを採用した「1.4L-ND系ディーゼルエンジン」搭載車両の開発を進め、2015年以降市場投入予定。

トランスミッションについては、今後、コンパクトクラスを中心に、新開発の無段変速機「Super CVT-i」の搭載車種拡大を計画している。

さらに、ハイブリッド車(HV)については、2015年末までの約3年間で新型HVを21モデル投入する予定。

「燃料多様化」への取り組み

EVで世界最高の電費を実現した新型コンパクトEV「eQ」を公開した。「eQ」の電費は、104Wh/kmを実現。また、水素を利用し、電気エネルギーに変換して走行する燃料電池自動車(FCV)は、世界最高の出力密度を達成した最新のトヨタFCスタック(燃料電池セル)を公開し、日野自動車と共同で開発を進めている新型燃料電池バス(FCバス)の投入計画を公表した。新型FCバスは、2016年の市場導入予定。

高性能コンパクトEV「eQ」・・・新型リチウムイオン電池を搭載し、世界最高の電費104Wh/kmを実現。一充電走行距離100km、最高速度125km/hを達成。満充電は、AC200Vで約3時間。2012年12月以降、日本と米国において、自治体や特定利用者向けの限定導入を開始予定。

また、次世代二次電池は、専門部署を設置して研究を進めており、全固体電池の出力密度を5倍に向上させた最新の電池セルを公開。この他、プラグインハイブリッド車(PHV)やEVへの充電の利便性を高める非接触充電の取り組みも、2013年に愛知県豊田市で実証実験を実施予定している。

外部給電(プリウスPHV)充電リッド普通充電の手順メインインパネコンビネーションメーター

車両

車名

eQ(イーキュー)

全長/全幅/全高

mm

3,115/1,680/1,535

ホイールベース

mm

2,000

トレッド前/後

mm

1,475/1,460

最小回転半径

m

4.1

乗車定員

4

駆動方式

FF

空車重量

Kg

1,080

タイヤサイズ

175/65R15

性能

交流電力量消費率(JC08モード)

Wh/km

104

一充電走行距離(JC08モード)

km

100

最高速度

km/h

125

モーター

種類

交流同期電動機

最高出力

kW

47

最大トルク

N・m

163

バッテリー

種類

リチウムイオン

総電圧

V

277.5

総電力量

kWh

12

充電所要時間

普通充電(AC200V)

時間

約3

普通充電(AC100V)

時間

約8

DC急速充電

約15(80%充電)

生産

トヨタ自動車㈱高岡工場

価格

車両本体(消費税込み)

万円

360

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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