ダイハツ ミラ & ミラカスタム 試乗レポート
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:原田淳
新型ミラはダイハツ新車攻勢の集大成!
今、最も元気な軽自動車メーカーといえばダイハツ。毎年2~3車種の新型車を投入し、積極的な攻勢をかけている。2006年の新車販売台数ではスズキに1万台ほど及ばなかったが、首位に肉薄する2位の座を確保し、2007年には軽自動車首位をうかがう勢いだ。
最近のダイハツの新型車攻勢では、一昨年12月のエッセに始まり、昨年はソニカ、ムーヴ、ミラと続いてきた。エッセから搭載が始まったアルミブロックの新エンジン、ソニカから採用が始まったCVT、ムーヴから始まった新プラットホームの組み合わせが、ミラで集大成された形になったからだ。
ミラは初代モデルが1980年にデビューした。当初は税制面で有利な商用車仕様として発売され、スペース効率や経済性の高さで注目されてきた。現在でこそダイハツの主力車種の座をムーヴに譲っているが、長期にわたって良く売れてきたクルマであり、国内累計販売台数は470万台を超え、800ccなどのエンジンを搭載して外国に輸出された台数も多い。
今回の7代目モデルは、デザイン、スペース、燃費などを大きな特徴とし、従来のアヴィに代わってカスタムを設定した点も見逃せないポイントだ。
標準系とカスタム系に明確な違いを与えた
新型ミラはデザインのクオリティも高い。タイヤを四隅に追いやったパッケージングを採用すると、スタイリッシュなクルマに仕上げるのが難しいが、ボディサイドのキャラクターラインなどによってうまく処理し、存在感のある外観を作っている。
これは標準系のミラにもカスタム系のモデルにも共通するものだ。それと同時に、フロントグリル、バンパー、ヘッドライト、テールランプなどのデザインを異なるものとすることで、標準系とカスタム系との間に明確な違いを設けている。これも注目されるポイントだ。
インテリアではまず室内の広さが注目される。ミラの後席に座ると足元には3ナンバー車の後席に座っているような広さがある。カスタム系では後席のロングスライドが可能な仕様が採用されており、さらに広さを実感できる。
インテリア回りのデザインも標準系とカスタム系では異なっている。標準系の明るいカラーとカスタム系のブラックという内装色の違いだけでなく、インパネの形状が大きく異なるものとされている。
カスタムRSの走りは軽の枠を超える
新型ミラは走りのクオリティも高いレベルにある。自然吸気エンジンもクラス最強の43kW(58ps)のパワーを発生し、不満のない走りを見せてくれる。燃費性能の高いCVT仕様のXリミテッドが良いが、4速ATのXでも実用的な軽自動車としては十分な性能である。
ターボ仕様のエンジンを搭載したカスタムRSなら、走りのクオリティはさらに高まる。エンジン騒音やソニカで気になったCVTからの異音もミラでは見事に抑えられていて、アクセルの踏み込みによって気持ち良く加速していく。軽自動車なのでパワーの上限は47kWにとどまるが、それはそれで十分なものである上、100N・mを超えるトルクが走りの余裕を生み出してくれる。
足回りは標準系のミラではかなり柔らかめの印象だが、カスタム系になるとスタビライザーが追加されることもあって相当にしっかりした印象になる。ステアリング系のチューニングの違いも含め、カスタムRSのしっかりした走りの質感は完全に軽自動車の水準を超えている。
アイドルストップでガソリン車最高の燃費27km/Lを実現
新型ミラではXリミテッドにスマートドライブパッケージと呼ぶアイドルストップ機能を備えたモデルが用意されている。リッター当たり27kmというガソリン車では最高の燃費を実現するモデルだ。
信号待ちなどで一定の踏力でブレーキを踏んで停止すると、すぐにエンジンが止まって静かな状態になる。ブレーキペダルから足を離した瞬間にエンジンが自動的に再始動して違和感なくスムーズに走り出すことができる。始動時には多少のショックと小さな騒音が発生する。この騒音・振動はプリウスの始動時などに比べるとやや大きいが、特に不満を感じさせるものではない。上り坂に停車したときに後退防止機能なども含め、とても良くできたアイドルストップだと思う。
惜しむらくは、まだ価格が高いこと。標準のXリミテッドとの燃費の差が1.5km/Lだが、価格差は8万4000円もある。これだと燃費で取り戻せる価格差ではない。
もうひとつ、ミラではXとLでABSがオプション設定とされている。価格的な手頃さからCVT仕様のXリミテッドではなくXが売れ筋グレードになりそうだが、それに売れ筋が装備されていないのは良くない。ミラを買うならXリミテッドがお勧めで、Xを買うならABSのオプション装着を忘れないようにしたい。
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