トヨタ ハリアー 試乗レポート
- 筆者: 西沢 ひろみ
- カメラマン:芳賀元昌
北米を主力マーケットとする、先進の安全技術を満載したラグジュアリーSUVが誕生した。
正常進化で2代目にフルモデルチェンジしたハリアーは、高級サルーンを超えることを目指したラグジュアリーSUVだ。国内ユーザーはほぼ100%を男性が占めているが、販売の主力マーケットにあたる北米では7割が女性ユーザーとなる。しかも人気の理由は「安全性」。新型ハリアーが安全性のさらなる向上と女性への気配りを大切にしたのは、このマーケティングに基づいた方向性といっていい。たくましさが増したスタイリングもアメリカの女性の好みというように、新型ハリアーはかなり北米市場を向いて開発されている。
とはいえ、国内市場における新型ハリアーのマイナス要素はちょっと大きめのボディサイズだけ。先進の安全性は世界的に見ても注目に値する。大切な人の安全を考えたら、このクルマに目を向けたくなって当然だろう。
世界初の衝突被害軽減技術、夜間運転支援技術、先進運転支援システムを搭載。
最も注目されているのが、世界初の衝突被害軽減技術であるプリクラッシュセーフティシステムだ。ミリ波レーダーが衝突不可避を判断すると、衝突前にシートベルトを巻き取って乗員の初期拘束効果を向上。ブレーキを踏むと同時にブレーキアシストを作動させて衝突時の被害を低減する。実際に体験してみると、障害物にぶつかる直前にシートベルトがギュッと閉まり、ブレーキペダルに足を載せただけでABSが効く踏力が発揮された。万が一の事故の際、衝撃が確かに弱まることがわかる。たとえ衝突を回避できなくても、被害を軽減できるのは、多大なる安全性の向上といえるだろう。
ステアリング角度と車速に応じてヘッドライトの光軸を自動的に動かし、カーブでの視認性向上を図るのが世界初のインテリジェントAFS。夜間の走行を支援する画期的な安全技術だ。世界初のフロント&サイドモニターも見逃せない。フロントグリルと助手席ドアミラーに設置したカメラが、死界となる車両前方と左側前方の状況を映しだしてくれる。左折時の巻き込み確認をはじめ、狭い道でのすれ違い、駐車時など、役に立つ場面がたくさんある。
電子制御エアサスペンションが、しなやかな走行フィールを味わわせてくれる。
トップグレードのAIRSに採用されているのが、ストラット式の電子制御エアサスペンション。オートレベリング機構とともに、車高制御機能も備えているのが特徴だ。エアサスと聞くと、一般的には柔らかい乗り味を想像する。ところがAIRSのエアサスは、左右に連続するコーナーでシャキッとした身のこなしを見せてくれた。車高が15mm低くなり、バネ定数が上昇するローモードを選べば、さらに路面への接地感が高まる。コイルスプリングを採用する300G“プレミアムLパッケージ”は、ゆっくりとロールが生じる大陸的な走行フィールだ。
エンジンは3LV6DOHCを搭載。余裕のトルクとパワーが力強い加速フィールを与えてくれる。静粛性、クルージングの実力を含めプレステージ性が感じられる仕上がりといえる。ベーシックモデルの2.4L4気筒DOHCは、2WDで1.6tもある車重に対して低中速域のトルクがちょっと物足りない印象だった。
ラゲッジ回りは女性に配慮した親切装備が充実。収納スペースにも工夫が伺える。
女性への配慮が伺える装備は、まずパワーバックドア。アルファード同様、インパネのスイッチ、リモコンで開閉でき、バックドアの下部にも全閉スイッチが装備される。買い物で両手がふさがっているとき、バックドアが濡れたり汚れたりしているときなどに便利だ。バックドア連動自動巻き取りトノカバーも親切装備のひとつ。バックドアを開けると、連動してトノカバーは自動的に格納される。ラゲッジルームの床下を利用したデッキアンダートレイは3枚蓋タイプを用意。奥側は手動だけど、使用頻度が高い手前側はボタンを押すだけで蓋が開くプッシュオープン式となっている。もちろん取り外したトノカバーもきっちり収納できる。
この他にも内部照明付の大型カップホルダーや開口部が100mmも開くフロントドアポケットなど、各収納スペースにも工夫が凝らされているのだ。
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