キャデラック SRX クロスオーバー 試乗レポート/岡本幸一郎(1/5)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
生まれ変わったキャデラックSRX 今度は「クロスオーバー」という名も引っ提げて登場です!
2004年より発売された、キャデラックSRX。 初代モデルはSTS譲りのFRプラットフォームをベースに、5人乗りだけでなく、3列シートをも持つ7人乗りもラインアップする、いわば世界屈指の豪勢なSUVであった。
エンジンも、のちに3.6リッターV6エンジンも追加されたが、当初は4.6リッターV8エンジンのみの設定だった。ドライブした印象も上々で、キャデラックの底力を感じさせられたものだ。
ただ、先進性と地味さが共存したルックスには、やや中途半端な印象もあり、「いかにもアメ車」的なものが好きで、かつて98年式のセビルSTSを愛車としていた筆者にとっては、なんとなく物足りない気もしなくなかった。
ところが、7年振りという歳月での日本再上陸を果たした、今回のSRXクロスオーバーは、まさに生まれ変わったという衝撃を覚えた。SUV/CUVにおけるデザインの可能性として、こんなアプローチがあったとは……。実車を前にして、目を奪われない人などいないだろう。
内外装の各部で繰り返される、現在のキャデラックのアイコンである5角形のモチーフをはじめ、鋭くエッジを立てた各部の造形、縦長の前後ランプなど、標榜する「アート&サイエンス」を追求したスタイリングが強烈な存在感を放つ。
後ろに行くにつれて一気に狭ませたサイドウインドウや、シャープなラインによる強い前進感を持つフォルムは、Cピラーをクーペのように寝かせて収束させていることも特徴的だ。
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