キャデラック SRX クロスオーバー 試乗レポート/岡本幸一郎(4/5)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
プレミアムの走りはドイツのCUVにも負けず劣らず!
初代SRXも、とくに後期型の走りは素晴らしい仕上がりを見せたものだが、2代目は基本素性がガラッと変わったこともあり、走り味もだいぶ変わった。
初代をひとことで表現すると、重厚でしなやかという印象だったが、2代目はダウンサイジングしたとはいえ、実のところ車両重量はあまり変わっていないにもかかわらず、フットワークはずいぶん軽快な印象となった。
「プレミアム」に与えられる可変アシスト量制御の付くパワーステアリングは、直進性はドシッと据わりつつも、切り始めの操舵力は小さく、スッと軽くノーズが向きを変える。応答遅れもなく、ステアリング操作に対する正確性を保ちつつ、いたって現代的な操縦感覚も心地よい。
また「プレミアム」には電子制御リアルタイムダンピングショックアブソーバーの付くスポーツサスペンションと、2インチ増しの20インチタイヤ&ホイールが標準装備されるのだが、乗り心地は十分に快適で、かつロールなどの姿勢変化も小さく抑えられている。このあたりは、日本で人気の高いドイツ勢のCUVに対しても、まったくひけをとらないものだ。
4WDシステムは、前後輪のトルク配分を0:100から100:0まで移行させ、さらに必要に応じて最大85%のトルクをリアの左右輪間で移行させるという電子制御LSDを備えることで、正確なライントレース性を追求したという。
近年のGMは車両開発のステージとしてニュルブルクリンクを積極的に活用していると伝えられ、このクルマもCUVでありながらニュルで鍛えられたというが、このクルマの優れたドライバビリティは、一連の努力の成果に違いない。
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