BMW 4シリーズ クーペ 海外試乗レポート／河口まなぶ(1/3)

新たなミドルクラスのクーペとして、市場を開拓・確立していくだろう

3ではなく、4。

それが意味するのは、3＋1ということ。つまり3シリーズに対して、1を足した価値があるクルマ、という意味合いがこの新型4シリーズにはあるわけだ。

事実BMWはポルトガルのリスボンで開催した国際試乗会のプレゼンの際に、

「3シリーズクーペとは次元の異なるクルマ」

と、このモデルを分かりやすく説明している。

そうした表現からも分かるようにBMW4シリーズとは、従来の3シリーズの派生モデルではなく、新たなミドルクラスのクーペとして位置づけられ、世に送り出された。

偶数名のモデルが久々に復活したのは2003年の6シリーズ。ご存知のようにこのモデルは、ラグジュアリーなクーペおよびその派生モデルとしての地位をこの10年で見事築き上げた。そして10年ぶりに加わったのが今回の4シリーズ。おそらくこれもミドルクラスのクーペおよびその派生モデルとしての市場を開拓し確立していくのだろう。

そしてこの流れからすれば、決して遠くない将来に、1シリーズのクーペや派生モデル群として2シリーズが登場するだろうと容易に予測できる。

3＋1という意味合いで、3シリーズ以上の車格や存在感を狙った4シリーズだが、その成り立ちは3シリーズをベースにしている。

実際にパワートレーンは3シリーズと同一で、今回試乗した435iに搭載されている3.0リッター直列6気筒ターボを頂点に、3シリーズでも展開される2.0リッター直列4気筒ターボを出力違いで428i／420iとして用意する辺りは3シリーズと同じ。また本国ではこの他に420dも用意される他、XDriveも用意されている。当然組み合わせられるトランスミッションも同様のものとなっている。