中国で大人気!アウディが魅せる“電気自動車×クーペスタイルSUV”の世界【上海ショー2017】
- 筆者: 鈴木 ケンイチ
- カメラマン:鈴木ケンイチ/Audi
◆2020年代のグランツーリスモ、アウディ e-tron スポーツバック・コンセプト
2017 年4月19日の上海モーターショーの初日に行われたアウディのプレスカンファレンスでは、アウディ e-tron スポーツバック・コンセプトが発表された。
アウディのブースはフォルクスワーゲン・ブランドの向かいで、ほぼ同じサイズ。外資ブランドとしては最大級の規模を誇る。天井に無数のワイヤー状のキューブがつり下げられ、それらがカラフルに点滅するのは、どこのモーターショーも同じ。アウディブースのお決まりのようになっている。
ブースは広く、中国におけるアウディの人気は他の地域よりも高い 。プレミアム・ブランドではトップクラスなのだ。そのためフォルクスワーゲンと同様に、プレスカンファレンスは非常な混みようとなった。
そんな中で最初に登場したのは、中国プレミアとなる新型A3セダンであった。中国の市場の中心は、基本的にセダンだ。その上で、人気の高いアウディ。しかも値頃感のあるA3セダンである。中国的には相当に注目度の高いモデルであろう。
そうして場が暖まったところで登場したのが“e-tronスポーツバック・コンセプト”だ。
アウディ e-tron スポーツバック・コンセプトは、クーペのようなスタイリッシュなフォルムを持った4ドアのグランツーリスモだ。もちろんパワートレインはEV。床下に95kWhのリチウムイオン電池を搭載し、前後車軸に計2つのモーターを備えたクワトロ(4WD)。
最高出力は320kW(ブースト時は370kW)でトルクは800Nm。0-100km/h加速は4.5秒。最高速度は210km/h。それでいて航続距離は500kmにもなる。
すでに発表されているSUVタイプのe-tronは、2018年に生産を開始する。そして、グランツーリスモ・バージョンの“e-tronスポーツバック”の生産は2019年だという。
ちなみに、アウディの直前にフォルクスワーゲンが、同じように4輪駆動のEVコンセプトのI.D.CROZZを発表しているが、e-tronスポーツバックは、それよりもサイズやパワースペックが格段に上。e-tronスポーツバックは、全長4.9m×全幅1.98mでA7にも近いサイズ感なのだ。
とはいえ、電池を床下に敷き詰め、前後車軸にモーターを置くという手法はフォルクスワーゲンのI.D.CROZZもアウディのe-tronスポーツバックも同じ。技術的には近いモノがあるだろう。
そんな近い技術を使いながら、フォルクスワーゲンとアウディとで、異なるモデルを仕立てるという戦略は、なかなかに賢いと感心するばかりだ。
[Text:鈴木ケンイチ Photo:鈴木ケンイチ・Audi]
この記事にコメントする