アウディ S4 試乗レポート(1/2)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:村西一海
いい意味で裏切られた、ダウンサイジングしたモンスターエンジン
新型アウディS4は、BMW M3やメルセデス・ベンツC63AMGなどがひしめくプレミアムスポーツの分野に、一石を投じるモデルになるだろう。パワーとエコの関係が、既存の各車とはっきり違うからである。
このクラスはモデルチェンジのたびにエンジンを大きくし、性能を高めてきた。S4も初代は2.7L V6ツインターボで最高出力265psだったが、2代目には4.2L V8自然吸気に載せ換え、344psをマークしていた。ところが新型は3.0L V6スーパーチャージャーで333psと、キャパシティもパワーも下回っている。
その理由はダウンサイジング。新型S4はトランスミッションをトルコン式6速ATから新開発のデュアルクラッチトランスミッション、7速Sトロニックにチェンジしており、エンジンの小型化で車重が1820kgから1780kgにダイエットしたことも関係して、燃費は実に18%も向上しているのだ。
それでいて最大トルクは41.8kgmから44.9kgmにアップしており、トランスミッションが高効率になっているから、実際の加速はむしろ速くなったと感じるはずだ。
もっともこのエンジンは、A6の3.0TFSIクワトロと基本的に共通。以前同車に乗った印象は、静かで扱いやすくスムーズだが盛り上がり感はイマイチというものだった。だからS4のエンジンとして適役なのか心配していたのだが、予想はいい方向に裏切られた。
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