三菱ふそう スーパーグレート試乗&日独米トラックの豪華共演!|自動運転レベル2の実力に迫る(1/3)
- 筆者: 遠藤 イヅル
- カメラマン:茂呂 幸正
三菱ふそうトラック・バス株式会社は2019年11月12~13日にかけて、栃木県にある同社喜連川(きつれがわ)研究所で「運転自動化レベル2機能搭載の大型トラック プレス試乗会」を開催した。
同機能を国内初搭載したスーパーグレート2019年モデルがダミー人形を用いたデモを行い、時速30キロから自動停止をしてみせたほか、ドイツ・アメリカの大型トラックが一堂に会して並走するなど迫力満点の内容を、自動車ライター 遠藤イヅル氏がレポートする!
大型トラックが自動運転するってムズカシイ!
三菱ふそうが手離し運転に挑む!
乗用車の世界では、日産の「プロパイロット2.0」をはじめとしたいくつかのメーカーが「自動運転レベル2」をすでに実現している。
しかし大型トラックへの搭載はなかなか実用化に至らず、先般の東京モーターショー2019で世界初公開された「スーパーグレート2019年モデル」が国内初の採用となった。
大型トラックの自動運転化技術の開発は、乗用車に比べて格段に難易度が高くなるのだ。
乗用車にできて、トラックにできないこと
その理由は、大型トラックの「大きさと重さ」にある。
乗用車と同じ車線幅の道路を走る大型トラックだが、左右の余裕が少ないうえに、大型車ではステアリングの反応も乗用車ほどビビットではないため、レーン内で一定の位置をキープすることが難しい。ほんの少しステアリングを切っただけで、すぐに車線からはみ出してしまうのである。
そのため大型トラックにおいては、ACC(アダプティブクルーズコントロール)の搭載車種はすでに各社からリリースされているものの、レーンキープをステアリング制御によって行うモデルは未発売であった。
自動運転の定義とは
各自動車メーカーが進める自動運転技術は、陸上輸送・航空宇宙機器分野の国際的な規格SAE(Society of Automotive Engineers)によって、レベル0から5までが定義されている。
■レベル0:すべての操作を運転者が行う
■レベル1:部分的な自動運転技術を搭載する
■レベル2:アクセル・ハンドル操作を自動化する技術を持つが、運転者は運転状況をモニターする
■レベル3:運転者が運転状況を監視する必要はないが、いつでも手動運転に戻れる状態にある
■レベル4:一定条件下ですべての運転操作を自動化する
■レベル5:完全自動化を実現
スーパーグレート(2019年モデル)のココがスゴイ!
自動運転レベル2を国内初採用
スーパーグレート2019年モデルは、2017年モデルの「先進運転支援機能」を進化させた「レベル2 自動運転技術」を搭載して登場した。
メイン機能となる「アクティブ・ドライブ・アシスト(ADA)」では、従来の全速度域対応プロキシミティー・コントロール・アシストに加え、電動モーター付油圧式パワーステアリング導入によるアクセル・ブレーキ・ステアリングの制御を実現。
またカメラで車線を認識しステアリングを自動制御して、トラックを車線内に維持するようにドライバーをサポートする「レーンキープ機能(LK)」のほか、60km/h以上で走行中、ドライバーの意図しない車線逸脱に対してステアリング制御に介入し、トラックを車線内に戻す「車線逸脱抑制機能(LDP)」の実装を可能とした。
自動でブレーキ! ダミー人形実験
さらに、従来のレーダーにカメラを追加することで前方の障害物をさらに精度よく検知できるようになった「アクティブ・ブレーキ・アシスト5(ABA5)」も搭載。
ABA5ではカメラによって歩行者の認識も可能になったことから、試乗会では30km/hで走行するスーパーグレートが道路を横断するダミーの直前でしっかりと停車するデモも行われた。
この際、スーパーグレートは最終的には緊急ブレーキ(EB)をかけて“全力制動”をかけているだけあって、停車時にはキャブが前後にぐらぐら動くほどの急停車だったが、なんとドライバーはブレーキの操作を一切行なっていない。もちろん作動には一定の条件が必要だが、衝突事故が1件でも減っていくことが大いに期待される技術である。
またカメラを活用したほかの新機能として、前方の光の状況を判断して自動的にロー/ハイビームを切り替える「インテリジェント・ヘッドライト・コントロール」、交通標識を認識してディスプレイ内に表示する「交通標識認識機能」を装備。安全運転をサポートする。
ほんとにちゃんと車線内を走るんだ!
レーンキープ機能を試す
この日は、大型免許を持つ筆者にもスーパーグレートのステアリングを握る機会が与えられた(同社の試乗では、たとえ敷地内の試乗であっても大型や牽引免許の有無によって運転が可能となる)。
助手席のスタッフの説明を聞きつつスーパーグレートをスタートさせる。すでにADAは70km/hでセッティングしてあるため、レジュームボタンを押すと70km/hで車速をキープ。
そして流れる白線を認識すると、レーンキープ機能(LK)が再作動し、メーターパネル内に青いステアリングのアイコンが点灯する。
目の前にはきつい角度のバンクが迫るが、ドライバーがステアリング操作をせずとも、スーパーグレートは車線内の真ん中を見事にどんどん進んでいくのだ。これには驚いた。
LKは車線幅3.2m~4.4mを範囲として作動するが、車線幅が3.2mしかない場合、全幅2.5mの大型トラックでは両脇35cmしか余裕がないため、その範囲をキープするために繊細な制御が行われていることが小刻みに動くステアリングから推測された。
手離し可でも、手を添えていないと警告!
実際にステアリングから手を離して運転してみたが、ADAではドライバーが常に運転に介入できる状態にあるかを検知することが可能なため、手を添えないで30秒以上運転すると警報を発し、60秒以上手放しすると、警報とともにLK自体が停止するという仕組みを確認することができた。
「車線逸脱抑制機能(LDP)」も試してみた。わざと車線を外しても、警告音とともにスーパーグレートは自動でレーン内に復帰した。
たしかにLK、LDPなどの機能は、長距離移動時での疲労軽減効果はかなりあるのではないかと感じた。ステアリング操作がシビアな大型トラックでこれを知ってしまったら、「この機能なしでは考えられない」くらいにラクになるのは間違いないからだ。
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