廃車にしても「自動車重量税」が戻ってこないのはなぜ?

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廃車にしても「自動車重量税」が戻ってこないのはなぜ?

自動車重量税についてお尋ねします。

最近事故で愛車をつぶしちゃったので事故車引き取りに車を買ってもらいました。自動車税や自賠責には戻りがあったのに、重量税にはありません。

調べてみると解体しなければ戻らないそうです。

でも重量税は道路に対する負担の分担と理解していたのに、外国に売られた車は対象にならないなんておかしくないですか。ブロンディーさんはどう思います?(コンチキチン)

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

それについては私も全然知りませんでした。

確かにおかしいですね。いったん抹消されたのなら、再度登録しない限り道路を走ることはできないわけで、つまり道路を傷めることもないわけです。重量税は、クルマの重みが道路を傷めるという主旨で始まったものですから、明らかに主旨に反しています。

要は、手続きの煩雑さにあるのでしょう。

重量税は3分の1が地方税として市町村に行きます。しかし還付となれば、それをまた市町村から返してもらわなければならない。それは手続きが非常に大変だ。そういうことなのでしょう。地方にとって自動車関連の税収は非常に貴重ですしね。

以前は解体してもお金が戻らなかったのだそうです。しかし、2005年に自動車リサイクル法が施行されたのと同時に、解体すれば還付されることになりましたが、まだ不条理は残っています。私としては、こういう小さな不条理よりも、もっと大きな自動車税制改革を主張したいと思っています。

日本の自動車関連税制そのものがおかしいのです。

日本は、保有税が非常に重くなっています。自動車税も重量税も保有税の一種。クルマを持っているだけでかかる税金が高すぎるのです。 一方、ガソリン税はヨーロッパに比べてかなり安いです。軽油取引税はさらに安いです。ヨーロッパではガソリンと軽油の小売価格はほぼ同じ。原価はほぼ同じですから、税額もほぼ同じなんですね。

日本は、保有税を大幅に下げる代わりに、ガソリン税・軽油取引税を上げるべきです。なぜなら、ガソリンや軽油を買うということは、それだけ二酸化炭素を出していることに他ならないからです。

ガソリンや軽油が高くなれば、それだけドライバーの環境意識は高まり、クルマ選びに関して燃費がより重視されるようになります。クルマをひかえて公共交通機関を使うケースも増え、渋滞も減ります。

しかし保有税が安ければ、クルマの売れ行きは伸びる方向に働き、景気への悪影響は少ないはず。むしろ長期的に見れば、日本の自動車産業の競争力を上げることになり、プラスです。

私は、ガソリンや軽油は1リットル200円くらいでかまわないと思います。ただし保有税は、現在の4分の1程度にしていただきたい。

MJブロンディの「ひとりごと」

こういう議論をすると、必ず引き合いに出されるのがアメリカです。

アメリカでは、自動車の保有税もガソリン税もバカみたいに安いのです。しかしそれがどんな結果を招いたか。アメリカは、クルマがなければどこへも行けない、完全なクルマ社会になってしまいました。

アメリカ車は燃費の改善にも不熱心でした。だから国際競争力も低いです。 私は、日本をアメリカみたいにしちゃいけないと思うので、ガソリンは高くすべきだと考えています。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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