ボルボ C30 試乗レポート/松下宏(2/2)

  • 筆者: 松下 宏
  • カメラマン:柳田由人
ボルボ C30 試乗レポート/松下宏
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しっかりしたヨーロッパ車らしい味付け

ボルボ C30

搭載エンジンは2機種で、2.0eアクティブに搭載されるのは自然吸気の2リッターエンジン。

昨年のマイナーチェンジで、パワーシフトと呼ばれるデュアルクラッチトランスミッションとの組み合わせで設定されたものだ。今回はパワーシフトの制御に改良が加えられた。

クリープ現象を強めに設定することで坂道での発進時に後退しにくくすると同時に、DレンジやRレンジに入れたときのレスポンスも良くして使い勝手を高めている。

2リッターエンジンの性能は必要十分なもので、パワーシフトとの組み合わせも上々のフィール。ユーザーは一般的な6速ATとの違いを少しも意識することなく、滑らかに走らせることができる。

デュアルクラッチタイプの特徴である低速域の変速ショックも気にならないレベルに抑えられている。足回りはちょっと硬めのしっかりした乗り味。日本車とは少し違うヨーロッパ車らしい味付けだ。ステアリングも手応えのある操舵フィールを実現している。

ボルボの特徴である直列5気筒のターボ仕様エンジンを搭載したRデザインは、パワフルかつ豪快な走りが可能。169kWのパワーもそうだが、320N・mのトルクをわずか1500回転から発生するので、アクセルを踏み込むと豪快な加速を見せる。Rデザインは今回の改良でシャシー系にも変更が加えられ、相当にスポーティな走り見せるようになった。

足回りはバネレートを強化することなどによってより硬めの乗り味になり、ステアリングもギア比をクイック化して操舵に対するレスポンスを向上させている。ちょっとしたスポーツモデルをイメージさせる走りである。

オプションの「ラグジュアリーパッケージ」がお買い得

ボルボ C30

今回のマイナーチェンジでC30のバリエーションはアクティブとRデザインの2グレードに絞られた。価格は295万円と389万円の設定だ。これまでのC30に比べるとスタート価格はやや高くなったが、それでもアクティブで300万円を切る価格を維持している。

たいていのユーザーが2.0eアクティブを選ぶことになると思う。ただ、C30では単純にアクティブを選ぶのではなく、オプションのラグジュアリーパッケージを装着すると良い。このパッケージは20万円で、本革シート、運転席パワーシート、シートヒーター、クルーズコントロール、リヤパークアシスト、17インチアルミホイール、アクティブディング・デュアルキセノンヘッドライトなどが付いてくる。

ざっと50万円分の装備ということだが、これが20万円で装着できるのだから、ぜひとも装着しておきたい。ほかの車種も含め、日本では本革シートの人気があまり高くないが、本革シートが好きでない人でも、ほかの装備のことを考えたらラグジュアリーパッケージが買いだ。

またアクティブをベースにRデザイン仕様に仕上げたRデザインパッケージの設定もある。スポーツシャシーなどを備えて339万円の設定で、従来の2.4iSERデザインに比べると36万円ほど安くなったが、お勧めはラグジュアリーパッケージのほうだ。

なお、C30ではシートの2トーンカラーの組み合わせやインテリアパネル、あるいは外装パーツなどに豊富な選択肢が用意された。自由に選択によって自分だけの1台に仕上げることも可能だから、いろいろな組み合わせを楽しみたい。

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松下 宏
筆者松下 宏

自動車そのものはもとよりクルマに関連する経済的な話題に詳しい自動車評論家。新車、中古車を含めてユーザーサイドに立った的確な購入アドバイスを語ることで定評がある。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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