フォルクスワーゲン e-up! 海外試乗レポート/川端由美(2/3)
- 筆者: 川端 由美
- カメラマン:フォルクスワーゲンAG
「up!」には変速のギクシャク感があったが、EV化によりシームレスな加速に
ある程度、お金の目処がたったところでクルマ本来の魅力に迫ろう。全長3.54mと、軽自動車より短いボディに、大人4人がちゃんと乗れて、荷室も確保されているという実用性の高さはエンジン車の「up!」となんら変わらない。230kgもの総重量があるリチウムイオン電池をフロア下に低く搭載し、”エンジン”ルームにモーターとパワーエレクトロニクスを搭載することで、EV化による居住空間や荷室への影響は微塵もない。
そして、私がヒトメボレした外観には一層の磨きがかかっている。パッと見てわかるのは、青く縁取られたVWのバッジとグリル周りの空気の取り入れ口が塞がれてLEDで縁どりされている点だ。ドイツでは古くから「ブルーエンジェル」というエコマークがあり、エコ=ブルーなのだ。バンパーやフェンダーの形状を採用し、フロア裏に清流のためのパネルを追加するなど、空力を重視した設計が施されている。見ているこちらも、「e-up!」と同じようにニンマリした顔になってくる。
Dレンジに入れて、アクセルにのせた右足にじわっと力を入れる。モーターの最大出力60kWは目を見開くほどの値ではないが、発進時に最大トルクを発揮できるというモーターの特性上、低速域でも210Nmの最大トルクが瞬時に発揮できるのは特筆に値する。また、日本に導入されている「up!」では、AMTが標準装備されてしまうため、変速のギクシャク感が否めなかった。その点、EVならシームレスな加速は得意中の得意。0−60km/hを4.9秒でこなす俊足ぶりだ。
エンジン車の「up!」とはひと味違う力強さを感じ
あまりにも気持ちよく加速していると、燃費が多少気になってくる。ドイツではアウトバーン無制限のイメージが強いが、市街地は30〜50km/hの制限があるので飛ばせない。事故防止もあるが、騒音防止の意味合いも強い。街中を縫うように走る道では、EVの静粛性の高さは歓迎されそうだ。
一方で、街を抜けた途端に70km/h以上に制限速度が高められる。燃費を重視するなら、40〜60km/h辺りで速度を保って走りたいところだが、制限速度付近まで加速しないと、ドイツでは交通の流れに乗れない。グイッとアクセルを踏み込んで、追加で加速するとき、エンジン車の「up!」とはひと味違う力強さを感じた。
大聖堂で有名なケルンから試乗会のゴールであるベンスベルク城に向かう道は、アップダウンの激しい坂道が続いていた。理論上、スタート時に最大トルクを発揮できるモーターの特性を活かして、発進から210Nmの最大トルクを発揮できる。日本向けの「up!」ではAMTを採用することから、シフトアップ時に空転感が否めないが、DCブラシレスモーターをインバーターで制御する「e-up!」ではシームレスな加速が楽しめる。
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