フォルクスワーゲン ティグアン ライストン 試乗レポート/森口将之
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:茂呂幸正
スポーツ&スタイルをベースとした特別仕様車ライストン
2010年のフォルクスワーゲン(VW)はポロ一色という感じだったが、実はその影で、SUVのティグアンのラインナップが一新されていた。
従来はオン・オフ両刀遣いのトラック&フィールドと、オンロード重視のスポーツ&スタイルという2車種構成だったが、2009年にスポーティなRラインが追加されたのに続き、今年9月にスポーツ&スタイルをベースとした特別仕様車ライストンが登場した。
この2モデルが、現在日本で買えるティグアンということになる。ただしライストンは、単なる特別仕様車ではない。パワートレインにも手を入れているからだ。
2L直列4気筒直噴ターボのTSIエンジンは、28.6kgmの最大トルクはそのまま、最高出力が200psから170psに落とされた。
一方トランスミッションは、湿式多板クラッチ使用のDSGであることは同じだが、ギア数が6速から7速になった。
このパワートレインはライストンだけでなく、Rラインにも積まれる。DSGはいままで、7速は乾式クラッチ、6速は湿式クラッチを使用していた。
つまり2台のティグアンに積まれるのは新開発ユニットになる。ただし基本設計は湿式6速と共通なので、ティグアンの車体にも搭載できる。
今後は湿式6速がしだいにこの湿式7速に切り替わっていくのだろう。
エクステリアやインテリアはスポーツ&スタイルと同じだ。ということで早速走りの印象に移ると、まずエンジンは低回転から、なだらかにトルクを発生しているので乗りやすく、なめらかな吹け上がり、静かなサウンドからは上質感を受ける。
一部のユーザーはパワーが200psから170psに低下したことを気にするかもしれないが、日常的なシーンではまったく不満を覚えないはずだ。
湿式多板クラッチ採用の7速DSGは、とても印象がよかった。乾式クラッチ採用の7速DSGで気になった唐突感はなく、すべての動きをスムーズにやってのける。それでいて当然ながら、燃費や環境性能では6速を上回ると予想できる。すべてのDSGをこれに切り替えてほしいと思ったほどだ。
乗り心地はドイツ車らしく硬めではあるけれど、ボディの剛性感とサスペンションストロークを生かしたVWらしいフィーリングには、好感を抱く人が多いだろう。
ステアリングは剛性感にあふれ、なめらかな作動感が心地いい。
ハンドリングは基本的に素直だが、ペースを上げてコーナーに入り、途中でアクセルペダルを戻すと、リアがズルッと滑ることもあった。VWらしからぬ挙動だ。氷雪路では気をつけたほうがいいかもしれない。
最後になってしまったが、新しいティグアンは価格にも注目だ。
ライストンはスポーツ&スタイルの422万円から385万円、Rラインは従来の488万円から421万円へと、それぞれ大幅に値下げされたからである。
従来のプライスは、このクラスのSUVとしては割高という印象が否めなかった。それが円高という追い風もあり、適正価格に近づいたのだ。
今年は同じクラスにBMW X1、プジョー3008、フォード・クーガという新型車が登場した。
プライスダウンしたティグアンが、こうしたモデルたちに匹敵し、注目を集めることは間違いない。
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