フォルクスワーゲン ザ・ビートル 試乗レポート/石川真禧照(2/2)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:フォルクスワーゲン グループ ジャパン
ザ・ビートルの走りはニュービートルとは別世界
日本発売を前にドイツで試乗したのは、最強の2.0リッタースポーツ。
その実力は最高速223km/h、0~100km/h加速7.5秒という俊足ビートルだ。
Dレンジで走り出したザ・ビートル2.0スポーツは、2代目とは全く異なる走りの世界を体験させてくれた。
直列4気筒2.0リッターターボエンジンは2500回転からトルクが一気に立ち上がり、6500回転のレッドゾーン入口まで伸びる。加速性能はこれまでのビートルとは次元が違う。
そしてそれ以上に進化しているのが、ハンドリング。
コーナーにハイスピードで入っても、実に素直にフロントから曲がってくれる。新開発のリアサスも追従性が良い。それでいながら乗り心地が良いのだ。硬すぎず、上下動もしなやかなのだ。
試乗車のタイヤは235/45R18という扁平サイズだったが、それでこの乗り心地ということは、日本仕様の1.2リッターモデルはどういうハンドリングを楽しませてくれるのだろう。
2代目から大きく向上したのが、室内スペースと装備だ。
ダッシュボードは幅が狭くなり、ウインドとの距離は常識的になった。インパネのグローブボックスは上ヒンジで開閉する方式。これは初代ビートルと同じ。3代目では数少ない「遊び」だ。
リアシートはやや高めの着座だが、ヘッドスペースは身長170cmまでOK。圧迫感はなく、実用的だ。背もたれは2分割でき、ラゲッジスペースと一体になる。
リアゲートも開口部が大きくなったので、荷物の出し入れはラクだ。ラゲッジスペースも奥行き、幅ともに広くなった。
装備では専用のナビゲーションが開発されたことと、パノラミックサンルーフの面積が80%も拡大したことがニュースだ。
オーディオ関係ではアメリカのギターアンプで有名なフェンダーが、パナソニックと組んでサウンドシステムを開発、ザ・ビートル専用オーディオが装備できる。
試乗して感じたのは、ザ・ビートルは2代目の進化型というよりは、新しい3ドア、FFスペシャリティカーとして、開発されたクルマのように思えた。
日本での発売は来春だが、日本仕様車で早く日本の道を走ってみたい気持ちになった。
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