フォルクスワーゲン ポロ 試乗レポート
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:原田淳
1.4L 6速ATでリーズナブルな“POLO”
VWブランドのベーシックラインを受け持つのがポロ。かつてはポロの下にルポをラインナップしていた時代もあったが、ルポとポロではかぶる部分もあったため、現在ではルポが廃止されてポロがエントリーモデルに位置付けられている。
現行モデルのポロは2002年に5月に国内デビューしているので、モデルサイクルがやや長期化しているのは事実。その間、2005年8月にはフロント回りのデザインを一新するなどの改良を受けている。
さらにスポーティなターボ仕様エンジンを搭載したGTIの設定や、新ジャンルを切り開くクロスポロの投入など、バリエーションを拡充して現在に至っている。
今回は1.4Lエンジンの搭載車にティプトロニックタイプの電子制御6速ATが組み合わされると同時に、エンジンの改良も行われ、走りるフィールが大きく変わった。それでいながら200万円以下に抑えた価格設定は大きな魅力で、改めてポロの販売が伸びるものと予想される。
ドイツ車らしい質実剛健デザインを備える
現行ポロのデザインはデビューした当初と現在とで大きく変わっている。2005年のマイナーチェンジのときに変更を受けたからだ。従来のデザインは丸型ヘッドライトを採用したもので、ポロとルポが似たようなイメージだった。
当時は後から登場してきたポロがひとクラス下のルポに似た外観デザインではという声があったのも事実。結果として、ポロはマイナーチェンジによってVWの統一したアイデンティティーであるワッペングリルを持つゴルフ似のデザインに変更されて現在に至っている。
VWファミリーとしての統一性を持たせるのは良いが、ゴルフに似た顔でサイズが小さいだけとなると、単純にヒエラルキーを示しただけという印象になりかねないところもあるのが難しいところ。ただ、現在のポロの外観デザインはドイツ車らしいしっかりした印象を与えるものになったと思う。
インテリア回りのデザインはいかにもVWという印象。外観以上にVWとしての統一性が図られていて、機能性を前面に出したデザイン処理がなされている。VWが質実剛健といったイメージを感じさせるのはこのデザイン処理によるところが大きい。
加速、変速、走り、もはや1.4Lエンジンとは思えないフィール
試乗したのは4ドアボディのコンフォートラインで、今回のチェンジで1.4Lエンジンに改良が加えられ、電子制御6速ATと組み合わされた。これによる走りの進化はとても大きい。
従来から1.6L車には6速ATが組み合わされていて、1.4L車だけが4速ATだったから、今回の変更で一気に2段階の進化を遂げたことになる。
1速が大きくローギアード化されたから発進から力強い加速が可能だし、6速は大幅にハイギアード化されているから、高速クルージング時の静粛性が高まって燃費も良くなっている。特に良くなったのが加速フィールで、1.4Lエンジンとは思えないくらいの気持ち良い加速が可能となった。この加速の良さにはエンジンの動力性能が向上したことも寄与している。
4速から6速ATになって各ギアのギア比が接近したことで、変速時のショックも少なくなり、アクセルを踏み込んでいくと高速域まで気持ち良く加速が伸びていく。 Dレンジのままでも十分にスポーティな走りが可能だが、ティプトロニックATは積極的にレバーを操作してマニュアル車感覚の走りを楽しんでも良い。レバー操作に確実に反応するのでキビキビした走りが得られる。
まさに積極的に選ぶ意味のある1台
今回の変更では、2ドアボディのトレンドライン、4ドアボディのコンフォートラインとも、エンジンの動力性能が向上してATが4速から6速化されたのだが、その割には価格アップが抑えられている。コンフォートラインは4万円高の199万円の設定で、トレンドラインに至っては従来と同じ169万円の価格が設定されているからだ。
ポロの価格は何度か変更されているが、2002年にデビューしたときには、2ドア車が178万円で、4ドア車が198万円だったのだから、2ドア車は9万円も安くなり、4ドア車も横ばい状態にある。モデルサイクルは長期化しているが、現在のポロがどれだけ買い得なクルマになっているかが分かると思う。
特に4速ATの時代には、変速制御が必ずしも日本の道路交通環境に合わない部分があり、走りに不満が感じられるシーンもあったが、今回の6速ATは断然デキが良く、そんな不満を感じることはない。
現行モデルのポロがいつまで生産を続けることになるのか分からないが、現在のポロは最も熟成が進んだポロといえる。その意味で積極的に選ぶ意味のある1台と思う。
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