フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 試乗レポート

  • 筆者: 竹岡 圭
  • カメラマン:原田淳
フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 試乗レポート
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欧州で人気!ワゴンタイプのパサート ヴァリアント

今年のフォルクスワーゲンは、小型車市場のリーダーシップを取ることと、上級セグメントへの本格的挑戦を目標に掲げている。この上級セグメントへの本格的挑戦の目玉として導入されたのが、新型パサートだ。

初代パサートが誕生したのが、1973年。今回6代目となる新型パサートは、先代からはナント9年ぶりのモデルチェンジとなる。

セダンとヴァリアント(ワゴン)の2車種があるが、欧州でもやはり人気なのはヴァリアント。セダンに遅れてラインアップ加わったのだが、ヴァリアントがデビューしてから、販売台数が一気に増えたところをみても、人気のスゴサが伺える。

ターゲットもセダンの40~50歳に比べ、ヴァリアントは35~45歳と低めに設定されていて、価格的にも335万円~と、国産車とも十二分に戦える設定。パサートの語源、ドイツの貿易風は果たして吹き荒れるだろうか?

コンサバ系な外観の中身はかなりワイド

最近のフォルクスワーゲン顔とも言える、ワッペングリルがパッと目を惹くパサートの顔。クロームグリルなので、上質感と躍動感が上手く表現されている。

しかし、ヴァリアントのエクステリアでいちばん気になるのは、サイドビューだろう。とはいえ、斬新的というよりはどちらかと言えばコンサバティブかもしれない。そのぶん長い間飽きのこないスタイルだと言っていいだろう。

そしてリアスタイルは、LEDのコンビランプが美しさを際立たせている。自分ではなかなか見られないのが、残念なくらいだ。

さて、ヴァリアントのキーポイント、ラゲッジスペースだが、先代に比べフル乗車時には108L増えて603L。後席を倒した際には131L増えて 1731Lと、かなり大きくなった。ちなみに、6:4分割でダブルフォールディング式で後席を畳んだときの最大長は、1960mm。大人が横になって十分寝られる寸法には驚かされる。

ただし開けたときに、テールゲートはかなり上まで開くので、私だとジャンプしないと手が届かないのはちょっと困りモノだ。

気にせずふめるビッグワゴン

押し込むタイプのイグニッションキーをプレスしてエンジンスタート。最近のカードキーのように行方不明になる心配がなくて、意外といいかもしれない。

ヴァリアントにはNAの2.0L、ターボの2.0T、そしてこの秋には3.2L V6 4モーションが加わり3ラインナップが用意される。その中で今回試乗したのは、メイングレードになるであろう2.0Tだ。ゴルフGTIにも搭載されている超元気印のエンジンなのでパワーは十二分。組み合わされるのはDSGではなく6ATだが、シフトショックもなくレスポンスも非常にスムーズで気持ちイイ。

車高-15mmローダウンのスポーツサスペンションが入っているために、高速のつなぎ目などでは少々カタサを感じるが許せるレベル。そのぶんワインディングに持ち込んだときの気持ち良さったらない。

ハンドリングも素直なので、こんなに安心して踏んでいけるビッグワゴンは珍しいと言っても過言ではなく、手足感覚というのはクルマの大きさに比例しないモンなんだな~と改めて感心させられた。

ゆったりと流れる自分の時間を大切にしたい人に

フラッグシップモデルだけに、インテリアの装備もいろいろと凝っている。燃料計や水温計がアナログ式の別メーターになっているところなど、クラシカルでオシャレなのだ。

他にも、ゆったりと休日を寛ぐ気分にさせてくれる演出が事細かに盛り込まれている。

中でも驚いたのは、どこのポケッテリアのフタをプッシュしてもダンパー入りでゆっくりと開く機構になっていたこと。それも後席のシガーソケットのフタやドアに付けられた灰皿までと、すみずみまで抜かりないのである。こういうところまでのこだわりを見ても、やっぱりパサートは高級車なんだな~、なんて感じられたりするから不思議だ。

便利だなと思ったのは、ドアトリムに設けられた傘入れ。ちゃんと水抜き機構が付いているので、濡れたまま突っ込んでも問題ナイのが嬉しい。

スポーティな走りさえ楽しめる運動性能、コンフォートな走りをアシストしてくれる電動パーキングブレーキなどの新機構。そして、ゆとりを感じさせてくれるインテリア…。ゆったりと流れる自分の時間を大切にしたい人にこそ、似合いそうな1台だ。

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竹岡 圭
筆者竹岡 圭

OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。記事一覧を見る

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