フォルクスワーゲン 新型 ザ・ビートル 1.2TSI 海外試乗レポート/桂伸一(2/2)
- 筆者: 桂 伸一
- カメラマン:フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン
日本仕様といいながら6速MT?でも、その走りは「爽快」!
ということで、改めて国際試乗会の場はポルトガル・リスボン。オートルートから市街地を抜け、ヨーロッパ大陸の西の端、ロカ岬までのツイスティなコーナーを新型 ザ・ビートルで駆け抜ける。
日本仕様といいながら、実はまだミッションが6速MTしか用意されていない。2ペダルがメインの日本では、1.2リッターのゴルフTSIと同様に7速DSGのみが用意される。動力性能や実用域でこの1.2TSIに何ら不満のないことは、日本でもゴルフやポロで実証済み。
一方、日本では試乗することのできない6速MTの走りは、ひとつのギヤのままで加減速を繰り広げるコーナーの連続においては「爽快」の文字が浮かぶ。ただし、ゼロスタート時に低い回転で滑らかにクラッチミートをすると“ストン”とストール現象。あわててクラッチを踏み直す煩わしさ。
1,500rpmで最大トルクを発生するとはいえ、それ以下の回転域では1.2リッターなりのトルクでしかないということか。しかしコレ、DSGではあり得ないコトなので心配ご無用。
エンジン回転に応じて自動制御でジャストミートしながらスタートする7速DSGこそ小気味いい走りが展開できる。と、6速MTを操ることで、瞬時のシフトアップ、ダウン時の回転合わせも含め、改めてDSGの万能ぶりを再確認した。
操縦性と乗り味は、タイヤサイズとタイヤグレードの違いが関係することも認識した。試乗車には17インチタイヤがコンフォート系、18インチタイヤはスポーツ系のコンチネンタルが装着されていた。
路面との接地感の滑らかさや、凹凸からの入力に対する衝撃の“いなし”のまろやかさは断然17インチタイヤがいい。もっといえば、17インチタイヤの55偏平に対して標準の16インチタイヤは60偏平だから、なおさら滑らかなハズだ。
18インチタイヤはコーナー進入に向けて、ステア操作した瞬間からの応答性、グリップレベルが圧倒的に違う。少ない舵角で路面に吸い付くかのようにクイックに入り、より高い通過速度を可能にする。しかし、スポーツ派にはコレかと思うが、タイヤが勝ち過ぎている印象も強い。
さらに、リアのトーションビームサスペンションとの相性かも知れないが、18インチによる単体重量の増加から、バネ下の重さ・バタツキ感が出てしまう。これは2.0TSIのように、リアサスにマルチリンクを持つシャーシにマッチするといえそうだ。
高速直進性はVWの基準らしく、ステアリングに手を添えているだけで「自立性」がある。
旋回はタイヤのキャラクターで応答の違いはあるが、どちらも舵角に正確に曲がり、リアのグリップは粘って姿勢変化は終始穏やかで安定性がある。もちろん、ステアリングを切り込む速度に応じて、自在に動きをコントロールできる。
日本の道路事情において、ゴルフTSIの快活な走行性能に異論を唱える向きはいないと思う。車輌重量もほぼ同じ新型 ザ・ビートルには、ゴルフTSIの快活さと、スタイリングと、2ドアというよりパーソナルな使い勝手の楽しさがプラスされる。
ラゲッジスペースは従来の209リットルから一気に310リットルに拡大。さらにリアシートを可倒すれば905リットルにまで広がる。
サウンドシステムにはギタリスト御用達「フェンダー」の名が。パナソニックとの共同開発によるものだが、その音の透明感は鳥肌ものである。
気になる日本上陸は、「デザイン」グレードのレザーパッケージ仕様(303万円)が4月に先行受注を開始し、夏までにデリバリーが開始される予定だ。
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