フォルクスワーゲン ゴルフヴァリアント 試乗レポート

フォルクスワーゲン ゴルフヴァリアント 試乗レポート
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TSIエンジンを搭載しベストセラーカー“ゴルフワゴン”が進化

リアスタイル
フロントスタイルリアスタイル

ゴルフのステーションワゴン、ゴルフヴァリアントは、1993年に初代モデルが登場し、約13年間で120万台を販売したベストセラーカー。最新モデルが7月から日本でも発表された。

新型のヴァリアントは最新のゴルフ5ドアハッチバックをベースにワゴン化している。今回のモデルはゴルフGT TSIにも搭載されている1.4Lターボ&スーパーチャージド170馬力のコンフォートラインと、2LターボTSI 200馬力のスポーツライン。

特徴は広いラゲッジスペースと快適な室内。従来比で3倍もの広さを持つ前後2分割式のガラスルーフはフォルクスワーゲン初のパノラマサンルーフ。さらに全モデル標準装備として安全性もクラストップレベルだ。8つのエアバッグ、リアシートにもシートベルトテンショナーを装着した。

高トルクと低燃費を両立させたTSIエンジンに、広いラゲッジスペースを備えたのがヴァリアントなのだ。

とてもバランスのとれたワゴンスタイル

サイドビュー
インパネフロントシート

新型のヴァリアントを旧ワゴンと比較してみると全長は165mm、全幅50mm、全高は1.4Lで40mmそれぞれ大きくなっている。

ちなみに現行ゴルフ5ドアと比較しても全長が340mm長いのはわかるが、全幅も25mm広く、全高はルーフレールを含んで30mm高い。ボディサイズのイメージとしては三菱のランサーワゴンに近いサイズだ。

フロントグリルは他のゴルフシリーズと同じワッペングリルを採用、サイドビューではリアドアとリアゲートの間のCピラーが「く」の字に曲げられているデザインは、5ドアゴルフと同じイメージ。全体にとてもバランスのとれたワゴンといえる。

インテリアの基本デザインはハッチバックゴルフのTSIと同じ。2Lはレザーシートになる。サスペンションもハッチバックと同じだが2Lスポーツラインは太いタイヤとかためのサスペンションを組み合わせている。

1.4リッターTSIエンジンは十分にスポーティ

エンジン
エンジンシフト

1.4L 170馬力のTSIエンジンを搭載したコンフォートラインから試乗。ミッションはマニュアルミッションをベースにしたDSG。

ATモードのDレンジでまずスタートする。2000回転あたりからトルクが太くなる。低回転域では機械式のスーパーチャージャーが過給する。そのままアクセルペダルを踏み続けると、一気に7000回転まで上昇する。高回転域ではターボの過給がトルクを盛り上げる。

Dレンジでの0→100km/h加速は8秒台。十分にスポーティなワゴンだ。乗り心地もややかためだが上下動はしなやかで、よかった。

2L 200馬力のスポーツラインに乗り換える。こちらは2500回転からターボが動き、加速が鋭くなる。Dレンジでの0→100km/h加速は7秒台と速い。しかし、スポーツサスと225/45R17サイズのタイヤの組み合わせはかたい乗り心地と上下の突き上げが強い。2Lモデルはパドルシフトのマニュアルモードも備わっている。

ファミリーカーとして使うならコンフォートラインがよい

ガラスルーフイメージ

1.4Lと2LのTSIヴァリアントを試乗したが、ファミリーカーとして使うのならば1.4Lのコンフォートラインがよい。乗り心地のしなやかさと突き上げの少なさは、町中で快適。しかもエンジン特性も2000回転からトルクが太いので、運転もラクだ。

室内の快適性はフロントシートはヘッドスペースも十分だし、Aピラーの死角が少ないので運転しやすい。

リアシートは座面後端は沈みこんでおり、こちらもヘッドスペースは十分。足元も狭くはないが、中央部はコンソールが張り出しているので左右2名乗車が快適定員だ。

このリアシートは6対4で分割可倒する。座面ごと水平になるダブルフォールド方式でリアのラゲッジスペースとフラットになる。

ラゲッジスペースは左右、奥行とも1m以上あり、サブトランクも広い。

コンフォートラインで296万円という車両価格も、装備類を考慮すれば高くない。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

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