トヨタ ヴォクシー 試乗レポート
- 筆者: 西沢 ひろみ
- カメラマン:芳賀元昌
先進のデザインが個性を主張しているが、中身はトヨタらしい間違いのない仕上がり。
ライバル車に後塵を浴びていた旧型に比べると、デザイン、プラットフォーム、駆動方式、両開きスライドドアの採用と、すべてにおいて新型ヴォクシーは大変身を遂げた。唯一、踏襲したのは5ナンバー枠のボディサイズだけだ。斬新なデザインが盛り込まれた内外装は、押し出しの強いフロントマスクとセンターメーターが個性を主張している。
2-3-3の8人乗りの室内は、セカンドシートがベンチタイプの標準仕様と中央にテーブル機構をもつマルチ回転シートが用意される。自慢の種は、サードシートの跳ね上げ機構、セカンドシートのタンブル機構あるいは回転機構の操作が、力がいらず簡単にできること。たとえ女性ひとりでも、アレンジメントは自在だ。もちろんスライド機構も備えていて、大人6人+子供2人の居住空間を備えている。ただその分、シートの厚みが薄いように感じる。上級グレードのVはそれほど気にならないが、ジャージ地のZのシートは座り心地がいまひとつだ。
低燃費がウリの2L D-4エンジンは、VVT-iの採用と相まってフラットな吹き上がりと低中速域のトルクが味わえる。街中から高速走行まで、あらゆる場面で扱いやすさが感じられるはずだ。それだけにキックダウン時など、中~高回転域での大きめのエンジン音が気になるところ。乗り味は軽快感ではなく、快適な乗り心地を重視したもの。キビキビ感は得られないが、誰にでも満足感の得られる安定志向のセッティングだ。
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