トヨタ アルファードハイブリッド・ヴェルファイアハイブリッド 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:島村栄二
待ちに待った「アルヴェルハイブリッド」いよいよ登場!!
“待望の復活”といって良いだろう。
アルファード&ヴェルファイアハイブリッド。先代型にラインナップされ、エスティマにはメカニズムを刷新したタイプが搭載されたのに、アルファード&ヴェルファイアにはなかなか用意されなかった。そして登場後4年近くを経て、ようやくハイブリッドがラインナップに加わった。
メカニズムは、基本的にエスティマハイブリッドと共通。トヨタ車に幅広く使われる「THSII」と呼ばれる方式で、アルファード&ヴェルファイアハイブリッドやエスティマハイブリッドは、後輪をモーターで駆動する4WDを成立させている。前後輪を駆動するモーター、さらに発電機を備える凝ったシステムだ。
直列4気筒2.4リッターエンジンとモーター駆動を合算したシステム最高出力は、190馬力。この数値はエスティマ、さらにSAIやレクサスHS250hとも等しい。
ハイブリッド用のニッケル水素バッテリーは、フロントシートの中央に収まる。従ってセンターコンソールの背が高く、フロントシートからリヤシートへの移動は困難。それでもフロント側にバッテリーを積んだから、2列目/3列目のシートや荷室はほとんど狭まっていない。背の高いLサイズミニバンの特徴を生かすレイアウトだ。
ちなみにプリウスαもほぼ同じ位置にハイブリッド用のバッテリーを積むが、リチウムイオン電池にすることでコンパクト化を図った。背の低いミニバンとあってセンターコンソールのサイズも小さく、バッテリー効率を高めて搭載する。
えっ!?エスティマHVで好評の「電源供給機能」はアルヴェルHVには付かない?
アルファード&ヴェルファイアハイブリッドで不可解なのは、先代型に採用されエスティマハイブリッドにも受け継がれた100V/1500Wの電力供給能力が備わらないこと。
先ごろの東日本大震災では、この機能が活躍したが、肝心のアルファード&ヴェルファイアでは見送られた。
開発者は、「今はアイドリングストップを義務付ける条例がある。長時間にわたって発電をするにはアイドリングを行う場合もあり、条例との関係で採用を見送った」と言う。
これはトヨタの責任ではなく、条例の運用に基づく解釈だろう。ムダなアイドリングはやめるべきだが、100V/1500Wを使うためのアイドリングは発電に相当する。
ハイブリッドは厳しい環境基準を達成したエンジンでもあるから、クリーンな発電機として、合理的に解釈して良い。
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