TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2018|WRカーが、耐久レース参戦マシンが、豊田 章男社長が全開走行を披露!
- 筆者: チダ ユウタ(オートックワン編集部)
- カメラマン:オートックワン 編集部. トヨタ自動車
WRCにドリフト、フォーミュラまで何でもありのモータースポーツの祭典
雲ひとつない快晴の下、早朝から富士スピードウェイにトヨタ車を中心とした多数の車両が詰めかけた。
2018年11月25日に行われたのは、TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2018というイベント。これはトヨタがモータースポーツの魅力を伝えるために毎年開催しているイベントで、サーキット上でのデモランや同乗走行、レーシングカーやカスタムカーの展示、有名レーサーのトークショーやサイン会といった様々なイベントが開催される。
今回はこのイベントの現地レポートをお伝えする。
新型スープラ&センチュリーGRMNがオープニングセレモニーに登場
オープニングセレモニーでは、カモフラージュを纏ったトヨタ 新型スープラを先頭に、2018年に悲願のル・マン24時間耐久レース総合優勝を飾ったTS050 HYBRID、今シーズンのWRCでマニュファクチャラーズタイトルを獲得したTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのヤリス WRC、さらにスーパーGT参戦マシンのKeePer TOM’S LC500、スーパーフォーミュラ参戦マシンのORIENTALBIO KONDO SF14がパレードランを敢行。
さらにサプライズとして、豊田 章男社長の秘密の公用車と噂されるトヨタ センチュリーGRMNが登場。WEC(FIA世界耐久選手権)やスーパーGT、スーパーフォーミュラなどでTOYOTA GAZOO Racingドライバーの一人として活躍中の小林 可夢偉選手が運転手を務め、その後席からは豊田 章男社長が颯爽と登場、開会を高らかに宣言した。
ホームストレートで繰り広げられるドリフトの妙技
ウェルカムセレモニーの後、最初に開催されたのはドリフトパフォーマンス。ヘアピンやS字カーブで行われることの多いドリフト競技だが、今回は富士スピードウェイのホームストレートでの開催となった。
ホームストレートの幅を目一杯使い、7台のマシンがタイヤから白煙を巻き上げて蛇行を繰り返したり、一台のマシンの周囲をぐるぐる周回したりするパフォーマンスが繰り広げられ、観客の喝采を浴びた。どのシーンでも基本的に追走形式(2台以上のマシンが列をなして至近距離でドリフトをすること)が取られており、あわや接触するのではという状況下でのハイスピードなドリフトに観客は大興奮だった。
注目はトヨタ ハイラックスのドリフトマシン
他のマシンに比べてひときわ注目を集めていたのが、トヨタ ハイラックスがベースのドリフトマシン。
これはTRD(Toyota Racing Development)のタイ支部が持ち込んだもので、車高がベッタリと落とされているもののボディは基本的にそのままで、そのギャップが独特の存在感を放っていた。悪路に特化したピックアップトラックが何故……という観客の印象をよそに、他のトヨタ 86や日産 180SXといったハイパワーFR車に負けず劣らずの豪快なドリフトを繰り広げていた。
国内トップのラリー選手&WRC参戦コンビの共演!
続けて開催されたのは、TGRF RALLY選手権 SS1(スペシャルステージ1)。これは今回のTOYOTA GAZOO Racing FESTIVALを舞台に開催されたラリー選手権で、このホームストレートでのSS1を筆頭に、メインとなる広場でのSS2、WRCサービスパークでのサービス(整備)、駐車場でのSS3を、実際のラリーと同様に転戦していくというもの。
参戦したのは全日本ラリー選手権でもトップクラスの戦績と技量を誇る9チームで、実際のラリーさながら、ドライバーとコ・ドライバーのペアでの参戦となった。
最初のステージに選ばれたホームストレートでは、中央のジャンプ台(この使いみちは後述)を始め各所にパイロンが設置されたコースを用意。このコースをミス無く、かついかに速く駆け抜けるかが競われた。ドライバーはいずれも本気モードで、フルアクセルでの加速や、サイドブレーキを使用してのターンを披露。FFのトヨタ ヴィッツやFRの86、4WDのスバル インプレッサWRXなど、駆動方式ごとの挙動の違いもはっきりと感じることができ、参加者はその動きに釘付けになっていた。
今季マニュファクチャラーズタイトル獲得のヤリス WRCが大迫力のジャンプ!
これらのラリーカーに続けて登場したのが、今シーズンのマニュファクチャラーズタイトルを獲得したTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのヤリス WRC。マシンを駆るのは、今シーズン8号車でWRCに参戦、チームの善戦に貢献したしたオット・タナクとマルティン・ヤルヴェオヤのコンビだ。
これまでに登場したマシンとは一線を画す運動性能を持った本物のWRCマシンは、車体が見えなくなりそうな白煙を上げての猛加速を披露したかと思うと、驚くほどの旋回性能とパワーで、まるでコマのようにぐるぐると回転。その後、ホームストレート中央に設置されたジャンプ台に向かってまっすぐに走り、華麗なジャンプを決めた。
もちろん着地後も何事もなかったかのように衝撃を吸収し、そのままもう一周、更に激しいドリフトを繰り返してからの2度目のジャンプ! リアルなWRカーの挙動が間近で見られるサービスぶりに、観客は大いに興奮していた。
大迫力! 眼の前で本物のラリーカーがドリフト
続くTGRF RALLY選手権 SS2(スペシャルステージ2)は、ホームストレートからスペシャルパフォーマンスエリアに場所を移して開催された。ここは写真を見ても分かる通り、ガードレールを隔ててすぐ近くを観客が囲っているエリア。万が一コントロールを誤ったら大惨事になるのは必至だが、ここではラリーカーの大迫力の走りを、わずか数メートルという間近な距離で見ることができた。
もちろんここにもWRC ヤリスが登場、先程のホームストレートと変わらない全開走行を披露し、ステージを選ばない高い旋回性能を印象づけた。
サプライズで豊田章男社長こと“モリゾウ選手”も全開走行
ここでは終了間近にサプライズがあり、なんとトヨタ自動車 代表取締役社長の豊田 章男氏が86で登場。
ご存知の方も多いと思うが、豊田 章男氏は“モリゾウ”名義でTOYOTA GAZOO Racingのドライバーとしても活躍しており、その熱心さと高いドライビングスキルが度々話題になっている。
その走りは他の選手に負けず劣らずの見事なもので、コース内のパイロンを中心にドリフト状態を維持して周囲を旋回し、リアがガードレールに接触するのではないかというギリギリの状態でのドリフトも披露。観客のみならず他の選手をも注目させる結果となった。
ル・マン24時間耐久レース初優勝チームの凱旋セレモニー
午後には、2018年ル・マン24時間耐久レースで悲願の総合優勝を果たしたTS050 HYBRIDの凱旋走行が行われ、それまでに登場したどのマシンとも比較にならない圧倒的なスピードと旋回性能を見せつけた。車両を操縦したのは今季優勝を飾った中嶋 一貴選手。さらにチームメイトの小林 可夢偉選手も同乗した。
凱旋走行中には、3名の豪華ゲストによるトークも展開された。まず1985年、ル・マン初参戦時に85C-Lで参戦した中嶋 悟氏、そして1992年にTS010でル・マン参戦、総合2位を飾った関谷 正徳氏、さらに1999年にTS020(TOYOTA GT-One)でル・マン参戦、2位表彰台を獲得した片山 右京氏だ。
3名は各々参戦当時の思い出を振り返り、初参戦時の周囲のマシンの圧倒的な速さやその後のトヨタ参戦車両の進化を語った。特に参戦車両がハイブリッド化する以前のマシンの燃費は2/3程度しか無く、給油頻度も多かったという点は印象的だった。
豊田 章男氏「ル・マン総合優勝は“3つのパワー”の勝利」
凱旋走行終了後には、レッドカーペット上にTS050、そしてマニュファクチャラーズタイトル獲得のヤリス WRCの2台が並び、両チームの優秀な成績を祝うセレモニーが開かれた。
登壇した豊田 章男氏は「ル・マン総合優勝は、ハイブリッドカーの持つ3つのパワーの勝利。一つはエンジン、もう一つはモーター。そして3つ目は、33年間応援してくれたファンの力」と語った。
会場内には歴代ル・マン出場マシンを始め古今東西のレーシングカーが展示
また会場内では「ル・マン挑戦の歴史」と題して、トヨタの歴代ル・マン耐久レース出場マシンが展示された(写真上段)。さらにル・マン以外のマシンも数多く展示され、モータースポーツファンには堪らない光景となった。
■写真上段左から
・TOYOTA TOM’S 85C-L
・TOYOTA 90C-V
・TOYOTA TS010(手前)とTOYOTA GT-One TS020(奥)
■写真下段左から
・TOYOTA 7
・CELICA GT-Four -ST185-
・SF19 開発車両(2019年 スーパーフォーミュラ参戦用)
[筆者 / 撮影:オートックワン編集部]
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