トヨタvsグーグル!?車載ソフトウェア開発でトヨタが勝負をかける「AGL」とは?(2/4)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:桃田健史
スマホへの対応がトリガー?
クルマでのUXが重視されるなか、最も大きな時代変化はスマホの登場だ。2000年代には、i-Podをクルマにつなげる程度だったが、最近ではスマホに入っている様々な機能を車内で快適に使いたいという流れになっている。
皆さんご承知の通り、ユーザーは自身が運転中に車内でスマホ操作をすることは、道路交通法で禁じられている。そのため、スマホを車載器と接続することで、カーナビやオーディオを使うようにスマホを「サクサク使いたい」という動きが出てきた。
ただし、スマホ画面をそのまま車載モニターに投影すると、面倒な操作に気を奪われてしまい、クルマの運転が疎かになっては、自動車メーカーも警察も困る。運転中にゲームをやられても、そりゃ、困る。
そこで「運転中のスマホ機能の最適化」が議論されるようになった。
そうしたなか、スマホOSの大手2社が、独自の方法を考案してきた。ひとつは、アップルの「カープレイ」で、日本市場ではボルボなどの海外メーカーが導入を始めた。
もうひとつが、グーグルの「アンドロイド・オート」で、7月中旬からホンダ、日産、VW、アウディなど向けで国内導入を始めた。こうして、車内でのUXで、スマホの存在感がこれからドンドン増していく。
そうなると問題なのが、スマホとクルマの「開発サイクルのミスマッチ」だ。スマホの場合、春・秋バージョンのように6ヶ月、またバージョンアップなどを考えれば3ヶ月程度という早い頻度で新製品が市場に出回る。
一方、クルマの開発は、ひとつのモデルライフである5~6年間を目途に行い、そのなかでマイナーチェンジを行う。
自動車業界では、例えばコンピュータ関連のシステム開発に「最低でも3年かかる」と言われている。ということで、スマホとクルマの開発を「同じテーブルで協議」するのは極めて難しい。
では、こうした課題を解決するにはどうしたら良いか?
クルマの車載器でプログラミングのルールであるコードを自動車メーカーも、半導体メーカーも、IT関連のサービスプロバイダーも、共有する必要がある。
これを、AGLはオープンソースとして無償で提供するのだ。
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