【2022年】トヨタ 新型シエンタは車中泊にもぴったりなシートアレンジの豊富さが魅力! 買い得グレードは中間のGだが早く欲しいなら最上級のZを選ぶべきだ

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トヨタは2022年8月23日(火)、3代目となる新型シエンタを発売しました。新型シエンタは淘汰されつつあるミニバン市場の中でも扱いやすい5ナンバーサイズを維持しながら、2列目シートの居住性をさらに向上。外観は様々なシーンで気兼ねなく使えるツール感溢れたデザインとなっています。

新型シエンタの価格やスペック、内外装のデザイン、おすすめグレードについてカーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが詳しく解説します。

目次[開く][閉じる]
  1. 新型シエンタは今や貴重な5ナンバーサイズミニバン
  2. 新型シエンタのエンジン
  3. 新型シエンタの外観デザイン・ボディサイズ
  4. 新型シエンタの内装、シート
  5. 新型シエンタの荷室(ラゲッジ)空間、乗降性
  6. 新型シエンタの走行性能
  7. 新型シエンタの価格、グレード選び、装備、現在の納期状況
  8. 新型シエンタのライバル

新型シエンタは今や貴重な5ナンバーサイズミニバン

最近はSUVの売れ行きが急増して、3列シートのミニバンは以前に比べて下降気味です。Lサイズのホンダ オデッセイやトヨタ エスティマ、ミドルサイズのトヨタ アイシス、マツダ プレマシー、マツダ ビアンテなどは廃止されました。そしてミニバンの新規投入はほとんど行われていません。

それでもミニバンの人気は根強く、小型/普通乗用車の内、約20%を占めています。車種を減らし、少数精鋭で頑張っています。

特に注目されるミニバンがトヨタ シエンタです。

今のトヨタ 新型ノア&ヴォクシーやホンダ 新型ステップワゴンは、すべて3ナンバー車になり、日産 セレナもフルモデルチェンジを控えて5ナンバーサイズの標準ボディは廃止されました。そうなると5ナンバーサイズのミニバンは、実質的にシエンタとホンダ フリードだけです。この貴重なシエンタが3代目にフルモデルチェンジされました。今回はそんな新型シエンタに試乗しました。

新型シエンタのエンジン

新型シエンタの一番の特徴は、パワーユニット(動力を生じさせる装置)とプラットフォームの刷新です。パワーユニットはトヨタ ヤリスなどと共通で、直列3気筒1.5Lと、1.5Lハイブリッドを用意します。プラットフォームは、前側はヤリスなどと同じ「GA-B」で、後ろ側はスライドドアと薄型燃料タンクを備える先代型と同様の形状にしました。

新型シエンタの外観デザイン・ボディサイズ

新型シエンタの外観は開発者によると「初代モデルへの回帰を意識した」とのことです。初代シエンタはサイドウインドウの下端を低く抑え、視界の優れた運転しやすいミニバンでした。それが2代目の先代型では、ワゴン風の個性的なデザインを重視して、視界が少し悪化しました。

そこを新型では、再び視界の良いボディに戻しています。サイドウインドウは、下端の部分を下側へ20mm下げて、上側はルーフとドアの形状変更により60mm持ち上げました。従ってサイドウインドウの上下幅が80mm広がっています。外観を見てもウインドウ面積の広さが良く分かり、明るい印象です。

新型シエンタは車内に入っても視界が良いです。インパネの上面が平らで、前方が見やすくなりました。前側のピラー(柱)は、衝突安全性を確保するために付け根の部分が少し太いですが、斜め前側の視界はあまり遮りません。

新型シエンタのボディサイズは全長が4260mm、全幅は1695mmですから、先代型と同じです。最小回転半径は、先代型が5.2m、新型は5.0mですから、小回りの利きが向上しました。先代型以上に運転がしやすくなっています。

新型シエンタの内装、シート

新型シエンタの内装の造りもコンパクトミニバンでは満足できます。最上級グレードのZを選ぶと、インパネの上面にファブリックの生地が巻かれて質感を高めました。

新型シエンタには2列シートの5人乗りと3列の7人乗りがあります。居住性は売れ筋の7人乗りでチェックしましょう。

新型シエンタの1列目シートは座り心地が快適です。体重が加わる背もたれの下側と座面の後方を硬めに仕上げました。座面の前側を少し持ち上げて、腰が安定するように配慮しています。ファブリックのシート生地は滑りにくく、着座姿勢も安定します。

新型シエンタの2列目は、座面の角度が水平に近く、体の沈み方も少ないために着座姿勢がいまひとつ安定しにくいです。もう少し座面の前側を持ち上げたり、体が沈む造りにすると良いでしょう。腰の付近の硬さはちょうど良く、長距離の移動にも対応できます。

新型シエンタの3列シート車の2列目には、スライド機能が装着され、後端に寄せると足元空間が大幅に広がります。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先には、握りコブシ2つ半の空間ができます。Lサイズセダン並みの余裕で、ゆったりと足を伸ばせます。

ただしこの状態では、3列目に大人が座ることはできません。足元空間が狭すぎるためです。そこで2列目のスライド位置を前端まで寄せると、身長170cmの大人が座って、膝先空間は握りコブシ1つ分です。かなり狭いですが、2列目に座る乗員の足が1列目の下側に収まりやすく、さほど窮屈には感じません。

この状態で身長170cmの乗員が3列目に座ると、膝先には若干の余裕ができます。どうにか座れる感じですが、2列目の下側に足が入り、薄型燃料タンクの採用で床と座面の間隔も相応に確保されるため、膝は大きく持ち上がりません。

3列目は背もたれと座面が短く、座り心地は良くありませんが、片道1時間程度なら大人の多人数乗車も可能です。

新型シエンタの荷室(ラゲッジ)空間、乗降性

新型シエンタは薄型燃料タンクを採用したことで、床から荷室床面までの高さは低いです。7人乗りは505mm、5人乗りでも565mmですから、重い荷物を積む時に、高い位置まで持ち上げる必要はありません。自転車も積みやすいです。

そして新型シエンタの2列シートの5人乗りでは、後席の背もたれを前側に倒すと座面も連動して下がり、1列目に乗車している時でも1865mmの荷室長を確保できます。荷室の床が平らで、停車中に1列目シートを前側に倒すと長さが2mを超える空間になるため、隙間をクッションで埋めれば車中泊も可能です。

新型シエンタの3列シートの7人乗りでは、3列目を2列目の床下に格納できます。新型ノア&ヴォクシーのような左右に跳ね上げる方式と違って、格納された3列目が荷室に張り出さず、新型シエンタは前述の通り荷室の床も低いです。居住空間はスペース効率が優れ、荷室のアレンジも使いやすいです。

新型シエンタは乗降性も優れています。スライドドアの部分で路面と床の間隔を330mmに抑えたため、新型ノア&ヴォクシーの380mmに比べて50mm低いです。高齢者にも優しいです。

新型シエンタの走行性能

次は新型シエンタの運転感覚を確認します。まずはノーマルエンジンです。新型シエンタの車両重量はノーマルエンジンでも1300kg前後に達するため、少々パワー不足ですが、実用回転域の駆動力に重点を置いたから運転しやすいです。

ノーマルエンジンは4500回転付近から速度の上昇が活発になりますが、この時には3気筒特有の少し粗いノイズも聞こえます。6500回転付近に達すると、無段変速ATのCVTなのに、有段式のようにエンジン回転が上下しながら速度を高めます。CVTらしさを抑える演出ですが、実用的な意味は乏しいです。

新型シエンタのハイブリッドは、アクセル操作に対して機敏に反応するモーター駆動の併用により、加速が滑らかです。動力性能を自然吸気エンジンに当てはめると、1.8Lに匹敵します。走行状態によっては3気筒の粗いノイズが聞こえますが、音量は小さくノーマルエンジンよりも快適です。

新型シエンタは走行安定性も満足できます。全高が1695mmに達するミニバンなので、特に良く曲がるわけではありませんが、峠道でも挙動の鈍さを意識させません。下り坂のカーブで危険を避ける操作をしても、後輪の接地性が保たれ、運転操作の難しい状態になりにくいです。車両重量はノーマルエンジンが70kgほど軽いため、運転感覚は機敏な印象です。

新型シエンタの乗り心地は、時速50km以下では硬めに感じます。特にノーマルエンジン車は硬さを意識させ、ハイブリッドは少し柔軟です。

新型シエンタの価格、グレード選び、装備、現在の納期状況

新型シエンタの装備は充実しており、衝突被害軽減ブレーキや車間距離を自動的に維持できる運転支援機能は、すべてのグレードに標準装着しました。その上で、ノーマルエンジン、ハイブリッドともにX、G、Zの3グレードを用意しています。

新型シエンタのグレードを選ぶ時は、まずノーマルエンジンとハイブリッドを選択します。4WDはハイブリッドだけですが、2WDでは両方を選べます。

新型シエンタの価格はGとZの場合、ハイブリッドが35万円高いです。ただしハイブリッドは、購入時に納める税額がノーマルエンジンよりも約10万円安く、実質価格差は25万円に縮まります。ハイブリッドはWLTCモード燃費が28km/Lを超えており、加速が滑らかで静粛性も優れているため、ハイブリッドの推奨度が高いです。

次は5人乗りと7人乗りを選びます。価格は7人乗りが高いですが、後席のスライド機能まで含めて4万円に抑えました。SUVの3列仕様には、2列仕様に比べて価格が13万円前後高い車種もありますから、価格差が4万円なら3列シートが買い得です。

新型シエンタのグレードは、機能と価格のバランスを考えると、中級のGが割安です。つまりハイブリッドで7人乗りのG(269万円/2WD)を選び、必要な装備をオプションで加えるのが、最もトクする選び方です。

ただし今は納期が長く、GやXに特定のオプションを加えると、生産開始が2023年の4月以降になります。販売店によると「2022年9月に注文した場合、納車されるのは2023年7月頃」という話で、納期が長すぎます。

そうなると現時点で実質的に選べるグレードは、オプションを加えても生産開始が遅れないZです。販売店では「Zの納期はノーマルエンジンが3か月、ハイブリッドでも5か月」ですから現実的です。ハイブリッドで7人乗りのZ(291万円/2WD)を検討しましょう。予算が超過する時は、ノーマルエンジンのZ(256万円)です。

新型シエンタのライバル

なお過去の売れ行きを振り返ると、シエンタはライバル車のフリードに負けていました。2017年の登録台数はフリードが多く、2018年と2019年はシエンタが上まわりましたが、2020年以降はフリードに抜き返されました。

今はトヨタ以外の各メーカーは軽自動車に力を入れており、小型/普通車ではトヨタ比率が50%に達します。そのためにトヨタ車が、他メーカーのライバル車に販売競争で負けることはほとんどありません。その例外が「シエンタVSフリード」でした。そこでシエンタは、渾身のクルマ造りを行ったのです。

新型シエンタはフリードよりも多く売られる可能性が高いですが、シエンタの2列目シートはベンチタイプだけです。その点でフリードならセパレートシート(キャプテンシート)も選べます。またフリードは4気筒なので、ノイズの質も異なります。フリードのメリットもありますから、両車を比べて選ぶと良いでしょう。

【筆者:渡辺 陽一郎/カメラマン:茂呂 幸正】

トヨタ/シエンタ
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新車価格:
195万円310.8万円
中古価格:
19万円401.1万円

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筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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監修者なかの たくみ (MOTA編集長)

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