トヨタ SAI 試乗レポート/松下宏(1/3)
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:原田淳/オートックワン編集部
HS250hとは別途開発されたSAI
トヨタ SAI(サイ)は、日本車では珍しく「才」や「彩」からとった、日本名が付けられたクルマ。過去の例を見ても、トヨタのカムリやいすゞのアスカなど、日本名が付いたクルマはごく限られたモデルしかない。
SAIは、トヨタの全チャンネルで販売される新しい4ドアセダンのハイブリッド車だ。セダンのハイブリッド車としては、先にレクサスブランドのHS250hが発売されているが、SAIはHS250hの姉妹車ではなく、別途開発が進められたという。
トヨタも最近は以前ほど姉妹車を作らなくなっており、現在ではノア/ヴォクシーやプレミオ/アリオンくらいだ。ほかにダイハツとの姉妹車はあるが、単純な姉妹車だとチーフエンジニアも一人になるが、SAIとHS250hは別々のチーフエンジニアが担当した。
それくらいに違うクルマに仕上げられている、といっても完全に別のクルマかといえばそうでもない。
クラウンとGS、あるいはマークXとISに比べたら、サイとHS250hの関係は遥かに近い。基本プラットフォームは同じで、2.4リッターエンジンを搭載するTHS-Ⅱを採用することなども共通だ。基本骨格となる部分は同じだったりするから、かなり近しい関係にあるクルマといえる。
SAIは、「オーソドックスな4ドアセダンが欲しいが、今の時代は必ずしも大きなクルマではなく、環境性能に配慮したクルマであって欲しい」とか「ハイブリッド車のプリウスは魅力的だが、もう少し高級感のあるクルマに乗りたい」など、これまでのトヨタのラインナップではカバーしきれなかったユーザー層を対象として開発された。
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