新型RAV4の内装は「便利になった」だけじゃない? 意外な注意点と必ず試乗すべき理由とは

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:小林 岳夫/トヨタ自動車
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トヨタの人気SUV「RAV4」が、ついにフルモデルチェンジを迎えます。2025年5月に公表された新型RAV4では、内装が驚くほどの進化を遂げ、運転席周りはまるで別物です。

今回は運転のしやすさに直結するインパネ周りから、新しいATのシフトレバー、大型ディスプレイやカラクリのような収納、荷室の使い勝手まで、購入前に知っておくべき内装の進化点、注意すべきポイントをカーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが解説します。

シフトレバーの箇所に不正確な情報があったため、2025年8月15日に加筆修正を行いました。

目次[開く][閉じる]
  1. 新型RAV4はいつ登場? 大注目の内装はこう進化する!
  2. 運転しやすさに直結! 新型RAV4のインパネは低く水平基調に
  3. 慣れるまで要注意? 一新された「シフトレバー操作」
  4. 「カラクリ」のある収納や大型ディスプレイがもたらす利便性
  5. 使い勝手が大幅向上! フラットで広くなった荷室
  6. 新型RAV4の購入前に確かめたい内装の変更点まとめ

新型RAV4はいつ登場? 大注目の内装はこう進化する!

トヨタの人気SUV「RAV4」に、待望のフルモデルチェンジが迫っています。現行型が一部で受注を終了し始めていることもあり、ファンの間では新型への期待が日に日に高まっています。

そんな新型RAV4は2026年3月までの登場が予定されており、詳細な性能や価格は、2025年10月30日(木)〜11月9日(日)に開催される「ジャパンモビリティショー2025」で発表され、受注が始まる可能性が高いとされています。

今回のフルモデルチェンジの目玉は、大幅に進化する「内装」です。

SUVならではの居住性や荷室の使い勝手をさらに向上させるのはもちろん、特にインパネ周りのデザインやシフト操作の方法は大きく変更される見込みです。初めてRAV4を選ぶ方はもちろん、現行オーナーにとっても見逃せない変更点となりそうです。

運転しやすさに直結! 新型RAV4のインパネは低く水平基調に

新型RAV4のインパネは、現行型に比べて水平基調を強めています。その大きな特徴は、インパネの上面を現行型より約40mm低く抑えている点にあります。

これにより、前方視界が向上し、さらにボンネットの左右が盛り上がっていることもあって、ボディの先端位置や車幅を把握しやすくなりました。サイドウィンドウの下端も低く、ボディ後端のピラー(柱)も太すぎないため、前後左右の視界は非常に良好です。

最近のSUVは、外観の塊感や乗員が包まれるような感覚を重視し、インパネやサイドウィンドウ下端を高くする傾向があります。その点、新型RAV4は小柄なドライバーでも周囲を見渡しやすく、安全に直結する視界を向上させています。

また、デザイナーは「直線基調の内装は上質感の表現が難しい」と語ります。丸みのある形状に比べてごまかしが効かず、パネルの継ぎ目も隙間が空いたように見られやすいからです。

このように難易度の高い直線基調ですが、新型RAV4はパネルの継ぎ目などを丁寧な作り込みでクリアし、質感の高い内装に仕上げています。ただし、このシャープなデザインを好まないユーザーもいるかもしれません。

慣れるまで要注意? 一新された「シフトレバー操作」

現行RAV4から新型への乗り換えで特に注意したいのが、ATの操作方法です。

プロトタイプの実車を見る限り、新型ではグレードにより操作方法が変わる可能性があります。今回はコアやGR SPORTのプロトタイプに装着されていた電子式のシフトスイッチについて言及します。

現行型は、ハイブリッド車も含めて従来ながらのグリップの大きなシフトレバーが採用されていますが、新型では操作方法が変わります。

これはフォルクスワーゲン ゴルフなどにも見られるもので、小さなスイッチを指先で操作するタイプです。また、パーキングレンジはプッシュボタン式です。

この方式は、メーカーによると「運転中の視線移動や動作を最小化する」というメリットがある一方、慣れないうちは直感的な操作が難しく、戸惑うことがあるかもしれません。

例えば、駐車時に素早い切り返しをしたい場面で操作を誤ったり、緊急時に手間取ったりすると、思わぬ事故につながる危険性も考えられます。

自分の車であればすぐに慣れるかもしれませんが、家族や友人のRAV4を時々運転するような場合は、特に注意が必要でしょう。

北米などで販売される海外仕様は、現行型と同様の一般的なATのシフトレバーを採用します。日本でもこの方式が好みに合う方もいるでしょう。

いずれにせよ、新型RAV4の購入を検討する際は、事前に試乗して、ご自身でATのシフトレバーの操作性を確かめておくことをおすすめします。

「カラクリ」のある収納や大型ディスプレイがもたらす利便性

大型ディスプレイが中央に配置されたインパネ

新型RAV4の内装は、単なるデザイン変更だけでなく、使い勝手の向上も図られています。

インパネの中央にはノートパソコンのような大型ディスプレイが配置され、直感的な操作が可能です。中央の下側にはスマートフォンの急速充電機能も備わっています。

使い勝手を高めるトレイ機能が備わったセンターアームレスト

また、前席中央のセンターアームレストは、コンソールボックスとして使えるだけでなく、ひっくり返すとトレイにもなるなど、まるでカラクリのような使い勝手を高める工夫が施されています。

スマートフォンが入るドアポケットも

プラットフォームは現行型と共通で、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も変わらず2690mmです。

そのため、居住空間の広さも同程度で、身長170cmの大人4名が乗車した場合、前席の頭上空間は握りこぶし1つ半、後席の頭上空間は握りこぶし1つ分、膝先空間は握りこぶし2つ分です。

現行型と同等の十分なスペースが確保されており、大人4名が快適に乗車できるため、ファミリーカーとしても活躍するでしょう。

シートの座り心地は、前席は快適ですが、後席は体型によっては腰周りのサポート性に物足りなさを感じるかもしれません。

また、ドア内側のグリップは取り付け位置が少し低いですが、ドアポケットと兼用されており、スマートフォンなどを入れられる工夫が施されています。

使い勝手が大幅向上! フラットで広くなった荷室

新型RAV4は、一見地味ながらも効果の大きい改善が荷室に施されています。リアゲート開口部の下端と荷室フロアの段差をなくし、さらに後席を格納した際も床面がほぼフラットになるよう設計。これにより、重い荷物やスーツケースなども、よりスムーズに出し入れできるようになりました。

また、荷室容量も現行型の733Lから749Lへと拡大。日常の買い物からアウトドアレジャーまで、あらゆるシーンでその使いやすさを実感できるでしょう。

新型RAV4の購入前に確かめたい内装の変更点まとめ

新型RAV4は、見晴らしの良い視界や使い勝手の良い「カラクリ収納」、フラットで広くなった荷室など、内装の快適性と利便性が大幅に進化しました。

ただし購入を具体的に検討する際には、指先で操作する新しい「電子式シフトスイッチ」や、水平基調で見やすくなったインパネ周りの操作感をチェックしましょう。これらは毎日触れる部分だからこそ、ご自身にとって直感的で扱いやすいかどうか、実車でしっかり確認しておきたいポイントです。カタログ情報だけでは分からない乗り心地や操作感を確かめるためにも、ぜひ一度試乗してみてください。

今回は内装をテーマに紹介をしましたが、価格も注意が必要です。パワートレインがハイブリッド中心に刷新されることで、現行型に比べて価格帯が上昇する可能性があります。

どのようなグレードが設定され、どの先進装備が標準になるのか、ご自身の予算と照らし合わせながら情報を集めておきましょう。

(※価格やグレード構成の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。)

トヨタ/RAV4
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新車価格:
323.7万円566.2万円
中古価格:
60万円599万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

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