トヨタ プリウスα 試乗レポート/渡辺陽一郎(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
すでに約1年待ち!!納車待ちという人気車種の悩み…
プリウスαの7人乗りも同じだ。300万円のG、330.5万円のGツーリングセレクション・スカイライトパッケージに限定し、受注台数が増えないようにした。
それでも5月下旬の時点で、5人乗りが2万8000台、7人乗りも1万1000台の受注に達した。ディーラーによれば「7人乗りの納車は現時点で予約を入れて2012年の4月以降、5人乗りも年内は困難」と言う。
もちろん東日本大震災の影響もあるが、それだけではない。プリウスαの発売は5月13日だが、受注は4月1日に開始していたからだ。
ベース車の現行プリウスも、09年5月18日の発売に先立ち、4月1日から受注を開始。最長で約9か月の納車待ちに至った。ベース車と同じパターンをプリウスαも繰り返している。
「行列のできるプリウスα、今の時代に元気が良くてイイじゃないの」という見方もあるが、外野の興味本位の意見にすぎない。今のクルマ販売は80%以上が代替え需要に基づき、多くのユーザーは愛車の車検切れを控えた段階になって新車の購入計画を立てる。納車が1年後では、新たに車検を取り直さねばならない。
法人も困る。4月以降の納車となれば来年度。今年度の予算では購入できない。そもそも1年後にはユーザーが海外に転勤しているかも知れない。趣味で買うクルマではないから、納期が1年後では困る。
ちなみに受注を開始した4月1日は震災の後だ。すべてのメーカーのすべての車種が、生産計画を大幅に乱していた。この時にトヨタ車ユーザーだけに有利な「事前受注」を開始すべきではなかった。発売の5月13日から受注を開始するのが、初めてトヨタ車を買うユーザーにとってもフェアなやり方だ。
しかも5月25日の時点で各ディーラーに問い合わせると、「試乗車、展示車が来ていない」と言う。すでにお伝えしている通り、プリウスα(7人乗り)の3列目はウィッシュ以上に窮屈。
動力性能については最終減速比をローギヤード化して対応し、特に不満はないが、ベース車よりは130kgほど重い。幅広い回転域にわたり、多少は動力性能が削がれた。乗り心地、静粛性、操舵感が上質になった半面、ミニバンとしての居住性に不満があり、動力性能の低下も気になる。
従って、試乗チェックを行った上で選びたいが、それが困難な状況だ。
プリウスαは、プリウスの上級版で、総じて上質な仕上がりだ。この2年間で、ずいぶん成長したと感心させられた。
ならば、せめてユーザーに試乗の機会は与えて欲しい。優れたクルマであることを確認した上で購入したなら、納車を楽しみに1年間を過ごせるかも知れない。
豊田章男社長は、クルマには「前味・中味・後味」があると仰る。
納車を待つ間をいかに過ごすかも大切な「前味」。ユーザーの気持ちを汲んで頂きたい。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。