日本版コンシューマレポート-トヨタ マークX ユーザー試乗レビュー-(1/6)
- 筆者: 桃田 健史
「マークIIの最終型で、購入者の平均年齢は58歳。以前は4年毎にフルモデルチェンジしていましたから、新車が出るとユーザー平均年齢も4歳ずつ上がっていきました。それを一気に若返らせるため、マークXが誕生しました」
そう語るのは、2009年10月に登場した二代目「マークX」のチーフエンジニア、友原孝之さんだ。
そうしたトヨタの思惑通り、今回試乗レビューを投稿頂いたユーザーの年齢分布は、20代以下+30代で「56.3%」。平均年齢が「38.4歳」と「マークII」時代から大幅な若返りを実現した。
とはいえ、2010年現在の日本はまさに「ミニバン王国」である。高度成長期の「一家に一台セダンが当たり前」は、いまやマイナーな存在だ。
先日、マーチの取材をしている際、30代半ばの日産エンジニアの方とたまたまセダン談義になった。彼は「それにしても、マークXって一体誰が買っているんでしょうかね?」とポツリ。同業他社は「マークX」のイメージが希薄だ。
2010年1~6月の国内自動車販売台数(軽自動車を除く)で、「マークX」は18位(26,114台)だ。
同車の生みの親である友原さんは、日本のセダン市場をこう見ている。
「ライバルたちは皆、日本のセダン市場から事実上撤退しました。スカイラインはアメリカ、ティアナは中国が主力市場。ウチのカムリも車幅1,800mmをオーバーしたことで、アメリカ・中国での需要を第一としました(日本国内の駐車場の約80%は、車幅1,800mm以上では入ることが出来ない)。そうしたなか、マークXは(事実上※)日本専用車です。日本のセダン市場は7~8,000台/月の規模。そのうちの40~50%を、マークXが取れれば良いと思っています」
※中国名「レイツ」として少数を現地生産している
さらに、クラウンとの差別化については「マークII時代からそうなのですが、クラウン(トヨタ店)とマークX(トヨペット店)は、販売系列が違います。この2車のユーザーは、販売店へのロイヤリティ(=忠誠心/信頼性)が高く、そう簡単に販売店の壁を越えないんですよ」という。
つまり、マークXのコアユーザーは、いつまでもマークXということだ。そして、第二世代「マークX」では、さらなる新規ユーザーの取り込みを模索した。
果たして、友原さんら開発陣営の意図は、ユーザーに伝わっているのか?発売開始9ヶ月後、全国各地の「マークX」試乗の声+ユーザーの声をとくとご覧あれ。
・車両価格(代表グレード)
(プレミアム)3,370,000円/(350S)3,525,000円/(250G)2,674,250円/(250G Four)2,905,250円
・発売日
2009年10月19日(二代目)
・メーカー月間販売台数
(7月)3,490台/(6月)3,009台/(5月)2,577台
・ユーザー試乗募集時期
2010年6月1日~2010年7月12日