トヨタ 新型カローラアクシオ 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
進化の方向性が大きく変わった新型カローラアクシオ
新型に一新されたカローラアクシオを見て驚いた。今までのフルモデルチェンジとは、明らかに方向性が違うからだ。
今までのカローラは「より大きく、より豪華に」という発想で歩んできた。質感や快適装備も、往年のコロナ、マークIIと比べて見劣りしなかった。
トヨタが、いわゆるエスカレーター的に「カローラ~コロナ~マークII~クラウン」と上位車種への買い替えを勧めたは80年代中盤までの話。1987年に登場した6代目以降のカローラは「進化する小さな高級車」で、歴代モデルを乗り継ぐことで、ユーザーの満足度は高められていった。
特に2000年に登場した9代目は、背の高いボリューム感のある外観に仕上げている。サイドウインドウの下端を持ち上げたため、側方や後方の視界は悪化し「ヤリ過ぎではないのか?」とも思ったが、立派に見える外観はユーザーの共感を呼んだ。
だが、新型カローラアクシオは、この流れを大きく変えている。
プラットフォームをヴィッツをベースに変更したことで、2600mmのホイールベースを維持しながら、ボディの前側を先代型に対して50mm短く抑えた。全長も先代型を50mm下まわる4360mmになった。
ボディ側面のデザインも変更。先代型はウエストライン(前後のサイドウインドウの下端を結ぶ線)を後ろに向けて持ち上げたが、新型は水平基調を採用。この変更により、リヤ側のサイドウインドは、下端の位置が30mmほど下がった。
新型は斜め後方がスッキリして視界が良い。運転席から真後ろを振り返ると、トランクフードもわずかに視野に入る。
フロントピラー(天井を支える前側の柱)を手前に引き寄せて角度を立てたことも注目すべき変更点だ。これにより左右方向の視野が広がり、交差点の右左折では、横断歩道をわたる歩行者を認識しやすいものとなった。
王座奪還を目指して、仕切り直し
内装では、インパネの中央部分が大きく変わった。
先代型では微妙な曲線を描いて質感を高めたが、新型は角張ったデザイン。カーナビ画面(あるいはオーディオ)と併せてエアコンのスイッチパネルも持ち上げ、ハンドルを持つ左手を少し伸ばせば自然に操作ができる。
以上のように新型は、視界、操作性、取りまわし性を向上させた。従来型でも、このようなデザインを採用することは可能だったであろう。けれど以前は豪華さや質感を優先していた、新型ではその傾向が薄れ、実用性の重要度を高めている。
開発者は「カローラの原点に立ち返った」と言うが、ユーザーサイドでは見方が少し違うように思う。
新車販売されるクルマの30%以上を軽自動車が占め、コンパクトカーの比率も20%を超えた。販売台数を見ても、もはやカローラはナンバーワンではない。クルマに実用性を求める傾向が強まり、豪華さや質感だけでは立ち行かなくなったのではないか。
さすがのカローラも変革を迫られ、その結果の原点回帰と受け取られる。カローラとしては、いわば「仕切り直し」だ。大量販売を誇るようになった軽自動車&コンパクトカー軍団に、改めて勝負を挑む。そのためには、軽自動車やコンパクトカーの代替え需要も呼び込まねばならない。
顧客がディーラーで試乗して、「インパネは豪華だけどスイッチが操作しにくい」とか「外観は立派だけど車庫入れが難しい」と言われたのでは、代替えを促せない。実用的な車種と比べた時の欠点を払拭した上で、セダンのメリットを訴求していくことになったのではないか。この成果を試乗車で確認してみたい。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。