トヨタ アベンシス 試乗レポート
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:小平寛
欧州車を越えるべく開発されたトヨタの欧州車
アベンシスはトヨタがヨーロッパ市場での認知度を高めるために開発したミディアムク ラスの4ドアセダンとステーションワゴンだ。日本の自動車メーカーの共通の悩みは、ヨーロッパ市場での販売。アメリカ市場と比較するとイマひとつ販売が伸びない。
確かに信頼性や価格はヨーロッパ車と比較しても充分に競争力はある。しかし肝心の走りがまだまだだった。とくにスポーティカーではなくフツーのファミリーユースのクルマの走りは、なかなかヨーロッパ車に追いつくことはできなかった。
アベンシスはその部分をなんとかレベルアップしようと開発されたモデルだ。すでにヨーロッパでは発売されているが、評判は上々。販売も伸びている。そのアベンシスが日本にも輸入されることになった。生産はトヨタのイギリス工場。ヨーロッパ製のトヨタ車の味付けは?その実力をチェックした。
ドライバーにも環境にもストレスを与えないエンジン
エンジンは最新の直噴式ガソリン仕様の2Lエンジンだ。このエンジンは排出ガスのクリーンさと燃費のよいことが特徴。実際に全モデルで、超-低排出ガスレベル(三ツ星)を達成しているだけでなく、FF車は「平成22年燃費基準」を先行して達成したことで、グリーン税制による減税措置対象車になっている。
出力は155ps/6000回転、トルクは19.6kgm/4000回転。ファミリーユースの4気筒2Lエンジンとしては、平均的な数値だ。
このエンジンはFF、4WDの双方に搭載される。10・15モード燃費は、FF車で13.0km/L。4WDは12.2km/Lになる。この差は、車両重量(70㎏)の差だけではなく、FFはスーパーECTの4速、4WDはETC-iEの4速というATの違いも影響しているのだろう。FF専用の4速ATはマニュアルシフトモードのシーケンシャルシフトマチックも装備されている。
トヨタのファミリーセダンにはない味付け
セダン、ワゴンともにグレード体系は同じ。FF車はLi、Xi。4WDはXi。Liにはスポーツパッケージが用意されている。
試乗はセダン、ワゴンのLiノーマル仕様だ。
ATのシフトをDレンジにしてスタートする。2Lエンジンはゆったりとした動きで回転を上げていく。スタートの俊敏さはない。0→100km/h加速はセダンが10秒台、ワゴンは11秒台。このクラスのファミリーカーとしては標準的なタイムだ。スポーツモデルでないので、充分な性能といえる。
楽しいのはコーナーでの動き。やや重めの操舵力のハンドルをきりこむと、ボディのロールがしなやかに、ハンドルや車速の動きに対して、自然な感じで発生する。この動きはこれまでのトヨタ車にはない動きだ。
この動きは215/45R17タイヤを装着したセダンも、205/55R16タイヤを装着したセダンも、205/55R16タイヤのワゴンも同じ。乗り心地はややかための設定。この味付けもトヨタのファミリーセダンにはなかった。
ヨーロッパメーカーの基準は満たした
トヨタのフランスデザインセンターで、エクステリアのデザインを完成させ、生産はイギリス工場、というヨーロッパ製のトヨタ車。スタイリングのイメージはプレミオ/アリオンなどのトヨタ車に似ているが、テールランプの形状に個性を持たせている。
インテリアではハンドルの調整が上下(チルト)だけでなく前後(テレスコピック)もできるのが、ヨーロッパ車的。
セダンとワゴンを乗りくらべたが、ワゴンは1000~1500回転で走行していると、こもり音を発生していたのが気になる部分。
日常の足として使うなら、セダンで充分。トランクも奥行、左右幅はセダンのほうが大きく使える。背もたれを倒せばトランクスルーにもなる。
ヨーロッパメーカーの4気筒1.8Lから2Lクラスのセダン、ワゴンと同レベルの走りの実力は充分にある。和製欧州車といえるクルマだ。
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