アルファード・ヴェルファイアに新グレード! 価格は最安510万円から豪華1000万円越えも
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂 幸正/トヨタ車体/MOTA編集部
2024年12月、トヨタの高級ミニバン「アルファード」と「ヴェルファイア」に、510万円からの安価なグレードや装備を充実させた1000万以上のグレードなど、新グレードが追加されました。あわせて既存グレードの価格改定も行われています。
この記事では販売店での取材をもとに、新グレードの詳細や新車価格まとめ、お買い得なグレード、最新の受注状況も交えてカーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが詳しくご紹介します。
トヨタ アルファード・ヴェルファイアとは?
トヨタのアルファードとヴェルファイアは、Lサイズミニバンの人気車種です。
両車は基本部分を共通化した姉妹車ですが、アルファードはLサイズミニバンの王道を行く豪華指向で、ヴェルファイアは内外装や運転感覚をスポーティに仕上げられています。
現行型のアルファードとヴェルファイアは2023年に発売されましたが、その人気の高さから生産が追い付かず、納期が長引いて受注を一時停止していました。
しかし、2024年12月に一部改良され、受注が再開されることになりました。
今回の改良では、装備の充実、価格の見直し、そして新たなグレードの追加が行われました。
トヨタ アルファード・ヴェルファイアに新グレードが追加
今回の改良で最も注目すべきは、新たなグレードの追加です。
アルファードには、「ハイブリッドX」、「ハイブリッドスペーシャスラウンジ」、そして両モデルに設定されたプラグインハイブリッド(PHEV)の3つのグレードが加わりました。
安価な8人乗りベンチシート「ハイブリッドX」
従来のアルファード・ヴェルファイアが7人乗りセパレートシートだったのに対し、「ハイブリッドX」は8人乗りベンチシートを採用。価格を抑えつつ、大勢での快適な移動を希望するニーズに応えます。
「ハイブリッドスペーシャスラウンジ」は、2列シートの4人乗りモデルで、後席を豪華に仕上げたラグジュアリーな仕様となっています。
1480万円とかなり高額な「ハイブリッドスペーシャスラウンジ」
このほかアルファードには、ハイブリッドスペーシャスラウンジも設定されます。2列シートの4人乗りで、後席を豪華に仕上げました。
この仕様は2023年に開催されたジャパンモビリティショーのトヨタ車体ブースに「ヴェルファイア スペーシャスラウンジ コンセプト」として出展された仕様の市販版です。
ショーモデルはヴェルファイアでしたが、実際にはアルファードで市販します。
キャビネットや冷蔵庫なども装着されてリムジンのように造り込まれますが、価格も1480万円と高いです。
外部充電ができるプラグインハイブリッド(PHEV)
さらにアルファード・ヴェルファイアともに、外部充電可能なプラグインハイブリッド(PHEV)が加わりました。
新たなグレードの価格は、ハイブリッドXが510万円と、最も安価な設定となっています。一方、PHEVはエグゼクティブラウンジのみの設定で、価格も1065万円と高額です。
トヨタ アルファードの新車価格(2WD)
トヨタ アルファードの新車価格は510万円〜1480万円です。こちらはトヨタの販売店に独自調査を行ったものです。
グレード別の価格は以下の通りです(値上げは従来型との比較)。
グレード(いずれも2.5Lエンジン) | 価格 | 備考 |
---|---|---|
ハイブリッドX | 510万円 | 新規グレード |
ノーマルガソリンZ | 555万円 | 15万円の値上げ |
ハイブリッドZ | 635万円 | 15万円の値上げ |
ハイブリッドエグゼクティブラウンジ | 860万円 | 10万円の値上げ |
PHEVエグゼクティブラウンジ | 1065万円 | 新規グレード |
ハイブリッドスペーシャスラウンジ | 1480万円 | 新規グレード |
トヨタ ヴェルファイアの新車価格(2WD)
トヨタ ヴェルファイアの新車価格は670万円〜1085万円です。こちらもトヨタの販売店に独自調査を行ったものです。
グレード別の価格は以下の通りです(値上げは従来型との比較)。
グレード | 価格 | 備考 |
---|---|---|
2.4LターボZプレミア | 670万円 | 15万円の値上げ |
2.5LハイブリッドZプレミア | 705万円 | 15万円の値上げ |
2.5Lハイブリッドエグゼクティブラウンジ | 880万円 | 10万円の値上げ |
2.5L PHEVエグゼクティブラウンジ | 1085万円 | 新規グレード |
従来グレードの10〜15万円値上げの理由
従来グレードからの変更点としては、以前はドライブレコーダーを4〜7万円のディーラーオプションとして設定されていましたが、改良後はディスプレイオーディオ内蔵型に変更されました。
そのほかの装備も部分的に見直しが行われています。
さらに原材料費や輸送費の高騰を考慮し、主力となるアルファードの「Z」グレードとヴェルファイアの「Zプレミア」グレードは15万円、「エグゼクティブラウンジ」は10万円の値上げとなっています。
トヨタ アルファード・ヴェルファイアの買い得グレードと実際の選択肢
続いて、アルファード・ヴェルファイアの買い得グレードと実際の選択肢を紹介していきます。
ここでは、アルファード「ハイブリッドX」と、アルファード・ヴェルファイアに設定されるPHEVを取り上げます。
最も安価なアルファード「ハイブリッドX」
アルファード・ヴェルファイアの買い得グレードについて考えると、まず候補に挙がるのは最も安価なアルファード ハイブリッドXでしょう。
ハイブリッドXの価格は510万円なので、値上げされたアルファード ハイブリッドZの635万円に比べると、125万円安いです。
その代わり装備もシンプルになります。
たとえば、ハイブリッドZでは2列目シートにエグゼクティブラウンジシートが装着されますが、ハイブリッドXはベンチシートです。
そのほかハイブリッドXには緊急操舵支援機能、アダプティブハイビームシステム、パノラミックビューモニター、オートワイパーの雨滴感知機能、LEDコーナリングランプなどが省かれます。
それでも125万円の値下げは注目されます。実用重視のユーザーにとっては買い得です。できれば2.5Lノーマルガソリンエンジン搭載車にも、Xを用意して欲しいところです。
価格を改定した後の2.5Lノーマルガソリンを搭載するZは555万円ですが、ハイブリッドXのように125万円安ければ、430万円に収まります。
トヨタ ヴォクシーの最上級グレード(396万円)に近づき、一気に購入しやすくなります。
PHEVも注目! 補助金交付により実質価格は1010万円!
また新規投入グレードとして、アルファードとヴェルファイアに設定された2.5LのPHEVも注目されます。
詳細はまだ明らかになっていませんが、自宅などで充電した電気によって日常的な移動が行えるメリットは大きいです。
ただしPHEVは、2列目シートが豪華なエグゼクティブラウンジのみの設定です。しかもハイブリッドのエグゼクティブラウンジに比べて価格が205万円高いため、アルファード PHEVエグゼクティブラウンジの価格は1065万円に達します。
トヨタ ハリアーなどはハイブリッドとPHEVの価格差が約127万円なので、アルファードとヴェルファイアの205万円は大きいです。
国から交付される補助金額の55万円を差し引いても、アルファード PHEVエグゼクティブラウンジの実質価格は1010万円です。
購入のしやすさを考えると、アルファード ハイブリッドZをベースに、100万円程度の上乗せでPHEVを設定して欲しいところです。そうなると価格は635万円で、補助金を引いて580万円という水準でしょう。
実際の選択肢はアルファード・ヴェルファイア合わせて5モデル
ラインアップを見ると、アルファードで購入対象になるのは、ノーマルガソリンエンジンのZ(555万円/7人乗り)、ハイブリッドX(510万円/8人乗り)、ハイブリッドZ(635万円/7人乗り)でしょう。
ヴェルファイアは、2.4LターボのZプレミア(670万円/7人乗り)、ハイブリッドZプレミア(705万円/7人乗り)になります。
トヨタ アルファード・ヴェルファイアの受注状況
トヨタ アルファード・ヴェルファイアで最も気になる問題は購入のしやすさです。
販売会社の異なるいつかの販売店に尋ねると、以下のように説明されました。
「アルファードとヴェルファイアは受注を再開しましたが、販売会社や各販売店に割り当てられた台数が十分ではありません。そのために、まず前回の販売時に抽選に漏れたお客様を対象に、販売しております。新規でご来店されたお客様は、購入しにくい状況です。新しいグレードのアルファード ハイブリッドXも、前回の抽選に漏れたお客様が対象になります」。
アルファードとヴェルファイアには、受注を停止していた間に、長い順番待ちの列ができていました。そのために新規で購入を希望しても、手に入りにくいのです。
欲しい場合は早めに販売店に問い合わせて、受注を開始したら教えてもらえるようにあらかじめ頼んでおきましょう。
そして状況は販売会社によっても異なるため、複数の地域の販売会社にも尋ねてみましょう。
車両の返却が必要ですが、トヨタ車を対象にした定額制カーリースの「KINTO」でも良いなら、メールマガジンに登録しておくと情報を手に入れやすいです。
トヨタ アルファード・ヴェルファイアのレビュー・評価
外観 | 4.0 | ★★★★☆ |
内装・居住性 | 5.0 | ★★★★★ |
走行性能 | 3.0 | ★★★☆☆ |
運転のしやすさ | 2.0 | ★★☆☆☆ |
乗り心地 | 5.0 | ★★★★★ |
燃費 | 2.0 | ★★☆☆☆ |
価格の割安度 | 2.0 | ★★☆☆☆ |
〇トヨタ アルファード・ヴェルファイアの良い点
・内装が豪華で3列の各シートに十分なスペースがある
・ハイブリッドは加速が滑らかでノイズも小さく乗り心地は快適
・安全装備が充実していて、危険を回避する性能も高い
×トヨタ アルファード・ヴェルファイアの気になる点
・全長が約5mで最小回転半径も5.9mと取り回しにくく、運転しにくい
・最も安価なグレードでも510万円と高額
・購入を希望しても次回の受注開始まで注文できない場合がある
【筆者:渡辺 陽一郎/カメラマン:茂呂 幸正/トヨタ車体/MOTA編集部】
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