スズキ 新型ソリオにフルハイブリッドが登場!ライバルのトヨタ ルーミー/タンク、ダイハツ トールに真っ向勝負!(2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
フルハイブリッドによりソリオの燃費数値は約15%向上
走行モードは標準とエコが設定され、エコモードではエアコンの制御などと併せて、モーター駆動のみの走行が頻繁に行われる。発進時も駆動用電池が充電されている状態なら、モーター駆動だけで発進して、その後にISGがエンジンを静かに始動させる。走行中も負荷の少ない状態ではエンジンが停止して、モーターのみの駆動になる。
JC08モード燃費はフルハイブリッドが32km/Lだ。マイルドハイブリッドの27.8km/Lに比べると、燃費数値が約15%向上する。
コンパクトなハイブリッド車のJC08モード燃費は、アクアが37km/L、ノートe-POWERのXとメダリストが34km/L、フィットハイブリッドのF/Lパッケージが33.6km/Lという具合だ。ソリオフルハイブリッドの32km/Lも、背の高い空気抵抗で不利なボディ形状も考えると効率が優れている。
ライバルたちとの競争にはもう少し強いアイテムが欲しい!?
ソリオのマイルドハイブリッドには前輪駆動の2WDと4WDがあるが、フルハイブリッドは2WDのみだ。グレードは標準ボディがハイブリッドSX(191万7000円)とハイブリッドSZ(206万2800円)、フロントマスクなどを変更したスポーティなバンディットSV(204万6600円)も用意している。
フルハイブリッドとマイルドハイブリッドの価格を比べると、フルハイブリッドが22万1400円高い。この金額にはフルハイブリッド専用のメーター、高効率なPTCヒーターなども含まれる。
エコカー減税はフルハイブリッドなら免税、マイルドハイブリッドは減税だ。購入時に納める税額は、フルハイブリッドSXとマイルドハイブリッドMXの比較であれば前者が1万2100円安いから、22万1400円の価格差が約21万円に縮まる。
そうなるとフルハイブリッドには燃費以外の付加価値、例えば静粛性がマイルドハイブリッドに比べて明らかに優れているとか、加速が滑らかといった特徴が必要になるだろう。またフルハイブリッドの注意点もあり、車両重量はマイルドハイブリッドよりも約40kg重く、荷室の下に駆動用リチウムイオン電池や直流を交流に変換するインバーターなどが収まるから、サブトランクは省かれた。
ソリオのフルハイブリッドは、5速AGSの変速ショックをモーター駆動で緩和させるなど技術的には興味深い。しかし損得勘定で選ぶとメリットが乏しい。これからルーミー4姉妹車を相手に激しいバトルが始まることを考えると、もう少し強いアイテムを手に入れる必要がありそうだ。
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